クラフトリンクのフェアトレード活動は、1974年よりバングラデシュではじまり、現在はネパールでも拠点を広げ、生産者の生活向上をめざした活動を続けています。
そんなクラフトリンクでは、さまざまな手工芸品を生産し販売をしていますが、その中でも人気の商品について開発秘話をお伝えします。
ひとりの女性の声から生まれたハンドメイドソープ
2009年11月、商品開発スタッフがバングラデシュ出張に行ったとき、パートナー生産団体プロクリティから「元セックスワーカーの女性たちが石けんを作りはじめた。彼女たちを応援してくれないか」という話をされたのこのが始まりです。そして同じ頃、ネパールからも「丘陵地帯に住む女性たちが収入向上のために石けん作りをはじめた。日本で販売できないか」という話がありました。
当時のクラフトリンクでは、ちょうど手工芸品の販売を牽引する意味でも消費材となる商材を輸入販売できないかなど話をしていた時期だったため、現地の声にも応えるべく、「She with Shapla Neer」ブランドの立ち上げを行いました。
石けんを作るのは、現金収入を得られる仕事の少ないネパールの農村地帯で、夫がインドへ出稼ぎに出たまま戻らず収入が途絶え不定期な送金により厳しい状況にあるネパールの女性。またさまざまな事情から売春をせざるを得なかったバングラデシュの女性たちです。石けんは、南アジアの地域で採れる固有の植物やオイルを最大限に利用しています。お肌にも自然にも優しい石けんとなるように合成香料、合成着色料、合成保存料は無添加は不使用で安心して使えます。現在では、「She with Shapla Neer」ブランドにネパール産の「Sheリップバーム」が加わり、人気の商品となっています。
<受賞歴>
・パートナーシップ大賞2015 優秀賞
・日経ソーシャルイニシアチブ大賞2014ファイナリスト
・ソーシャルプロダクツ・アワード2013
地域産業を盛り立てるネパール産コーヒー栽培
「地域の産業を盛り立てたい」という想いが「太陽とヒマラヤの恵み ハニープロセス珈琲」として商品化しています。ネパール産コーヒー豆を栽培につながりました。地域に根付く産業へがあれば、危険を伴う出稼ぎや過疎化にも歯止めをかけることができる、と考え地域全体でネパール美味しいコーヒー豆を栽培しています。現在では160軒の農家とともに、”誰もが関わることができる”コーヒー栽培方法を目指し活動を続けています。クラフトリンクが自信をもってお勧めする、新商品のネパール産のコーヒー「太陽とヒマラヤの恵み ハニープロセス珈琲」は、アグロフォレストリー農法で大切に育てられたアラビカ種のコーヒー豆で、ナッツのような風味が特徴です。酸味や苦みが少なく、すっきりとした味わいです。
<受賞歴>
・ソーシャルプロダクツ・アワード2020ソーシャルプロダクツ賞
ボダラジ・アリヤルさん
コーヒー栽培に人一倍情熱を注ぐボダさんは、ネパール政府の助成を受け日本の秋田県で農業を学び、再び故郷に戻りコーヒー栽培を地元の産業として盛り立てるために日々奮闘している。
ルパさん
この地域でたくさん採れるみかん、ショウガなどの香辛料を育て、それらを市場で売りながら生計を立てています。インドの家庭医学アーユルヴェーダに興味があり薬草も育てています。コーヒー栽培についてはノウハウがなかったので初めは不安でした。でもコーヒー生産組合のスタッフが時どき訪問してくれ困ったことが相談にのってくれます。一緒にチア(ネパールのミルクティ)を一緒に飲みながら、お喋りをする時間も楽しいです。わたしはコーヒーを育てるだけでなく、その後の豆選別作業などもして現金収入の機会が増えています。嬉しいです。