8月11日から始まった南アジア競技会が今日終了した。文字通り南アジアの各国が集まり、球技、武道(テコンドー、空手など)陸上などを競い合う大会で、今年はスリランカで実施された。

治安上の不安を抱えつつも、無事に終了し閉会式の様子をネパールのニュースでも流していた。新聞のスポーツ欄でも大きく取り上げられ、ネパール選手が今大会初の金メダルを取ったときは一面トップを飾るほどの盛り上がりぶりだった。

表彰式では優勝者の国の国家を演奏していた。先日大家さんに招かれて夕食をとりながら競技会の生中継を見ていた時、ちょうどテレビではバングラデシュの選手が表彰され、「アマール ショナル バングラ、アミ トマエ バロバシ…」と馴染みのある国歌の演奏が始まった。が、いつまでたっても終わらないうえに、微妙なアレンジがされていて、メロディーを追うことも出来ない。他の南アジアの国の国歌と比較したわけではないが、きっと一二を争う長さだったろう。

ところで、ネパールでは4月の民主化運動の後、国名から「Kingdom」(王国)が削られる事が決まり、省庁の表示や町に掲げてある標語などありとあらゆるものが書き換えられていた。国歌の変更も議論され、新しい国歌を募集したところかなりの数の応募があったと新聞で読んだ。しかし新しい国歌が決まったというニュースは聞いていない。

はて、どうなったのだろう?と思っていたら、メヌカ(大家)さんが、今回の競技会のために国歌「もどき」を作り選手団をスリランカに送ったのだと教えてくれた。そんなものか、という思う一方で国を代表して争う選手にとっては、国歌を演奏するという行為には特別な想いがあるのだろうとも感じた。

今、世界中で紛争が頻発している。国と国だけでなく、国内の紛争でも多くの無辜の命が失われている。偏狭な愛国心ではなく、もっと大きな「愛」が世界中に広がって、一日も早く平和が訪れ、皆が誇りをもって国歌を聞くことのできる社会が来る事を祈りたい。