山歩きをする方には当然過ぎることかもしれないが、なにしろすべてが初めての経験だったので、トレッキングについてもう少し書いてみたい。もしかしたら日本の山歩きとは違って、ネパールならではということもあるかもしれない、ということでお許しいただきたい。
写真:夜はダイニングに集まり寛ぐ
トレッキングコースには沢山のロッジ(山小屋)が点在している。食事を提供する他、宿泊もできるようにベッドを備えた部屋が数~十数室あるのが普通である。通常はこういうロッジがいくつか固まり小さな「町」のような形をなしている。徒歩1時間から2.5時間程度の間隔で「町」が存在するので、イメージとしては街道の宿場町を思い浮かべてもらえば近いだろうか。
私と友人が歩いたアンナプルナ・サンクチュアリコースでは、下の方では家族経営をしているロッジが多かったが、2,500mを超えると自然村はなくなり、トレッキング客のためにシーズン中のみオープンするロッジとなる。
写真:花が美しいロッジ
朝やであればお茶を飲んで休憩したり、食事を食べて再び歩き出すことになるが、午後になると体の疲れ具合や全体の日程を考えながら、次の「町」まで歩くかどうかを決めなくてはいけない。上に登れば登るほど部屋の数が減っていくようで、シーズン中は確保が難しい場合もある。
従って、トレッキング中は早朝(6~7時頃)に出立、途中お茶や軽食、昼食をとり、午後の早い時間にロッジにチェックインするというパターンが多くなる。午後3,4時頃から夜まで相当時間がありそうなものだが、本を読んだりおしゃべりしたり、トランプをしているとあっという間に時間がたってしまう。
一緒に歩いた友人Kさんはネパール語が相当上手い上に、コミュニケーション能力が高い人だったので、ガイドやポーターたちといっしょにおしゃべりをしては盛り上がり、時間があっという間に過ぎてしまった。他のトレッキング客との交流も楽しかった。欧米の人たちの中には1ヶ月以上かけてトレッキングをしている人たちもいて、次回の計画の参考になりそうな話も聞けた。
私たち(Kさんと私)はガイドとポーターをそれぞれ1名をお願いして一緒に歩いたが、ガイドはロッジに着くと私たちの夕食の注文を取ったり、出来上がった料理を運んだりという仕事もする。
ロッジ側の人手を抑えられるし、ガイドたちにもそれに見合った便宜が受けているのだろうと想像する。気持の良い人たちばかりで、彼らのお陰で楽しいトレッキングを経験できたと感謝している。
写真:昼食中のガイドのチリン君(手前)とポーターのソム・ダイ(兄さん)