支援概要
家政婦の現状
多くの人が夜明けまえに家を出て、近くの駅まで歩き、さらに満員電車に2時間ほど乗って大都市コルカタまで毎日通っている(リキシャ代も節約し、片道1時間半歩いて通う女性もいる)。1年中、まったく休暇もなく、雇われ先でのいやがらせや急な解雇もあるという。しかし、一旦仕事を失ってしまうと新たな仕事先を探すのがとても大変なので、続けざるを得ない。電車には、女性専用車があるがいつも混んでおり、電車の中や駅にはトイレもなく、体を休ませる場所もない(男性用トイレはある)。雨期や暑い時期であっても、勤務先でシャワーをあびたり休んだりするようなこともできず、駅にもそのような場所はない。
ションダさんのストーリー
夫と2人暮らし、3人の娘はすでに結婚して遠くに住んでいる。ジョンダさん自身も13歳で幼くして結婚した。共働きで昼間子どもたちを誰も面倒をみてくれる人がいないく仕方がなかったため、早婚はよくないと思いつつも3人の娘も14~15才で結婚させたそう。
ションダさんは家政婦の仕事をはじめて20年になる(インタビュー当時38歳くらい)。熱があったり体調が悪くても休むことができない状況である。
この生活はまったく休みもなく続き、苦労の連続でいい思い出なんてない、と言う。でも、8年前、土地を購入し、大家への支払いも済んでこの土地と家は自分のものになった(名義は夫婦のもの)。これが一番嬉しいことだと教えてくれた。
<ションダさんの一日>
04:00:起床
05:00:家を出る(朝ごはんを食べる時間はない)
家から最寄りの駅まで1時間ほど歩いていき、そこから1時間半電車に乗る。
07:30:ダクリア駅到着
07:45:1件目での仕事
11:00:2件目での仕事
13:30:ダクリア駅から電車に乗って家に帰る
15:00:家に到着し、家事をする
最初はガスの使い方も分からず、そのような基本から教えてもらった。最初は月給7ルピーだったが、少しずつ料理などを覚えることで給料もあがってきた。現在2カ所で働き、月に900ルピーをもらっているが、生活は楽ではない。
将来は、もう少し土地を買って米などを作ってコルカタに働きに行かずに夫と二人でここで暮らしていきたい、と将来の夢を語ってくれました。(当時:1インドルピー=約2.7円)
活動内容と成果
このような状況に対して、現地NGOパートナー団体・ポリチティ(PARICHITI)と家政婦として働く女性が日中、自由に利用できるドロップイン・センター兼事務所の運営、駅構内での相談業務、また、彼女たちが通勤に利用する鉄道の環境改善(女性車輌の増設、駅舎へのトイレ設置など)を訴える嘆願書を自ら提出するのをサポートするなどの活動を行った。徐々にセンターの利用者も増えるなどの成果があった。しかし、当初の計画期間が終了したこと、またPARICHITI 自身で活動を継続していく意志も確認できたことから、2008年度をもって支援を終了することを決定した。パートナー団体紹介
団体名 | ポリチティ(PARICHITI) |
---|---|
地域 | インド、西ベンガル州 |
活動期間 | 2008年3月終了 |
団体概要 | コルカタで活動する様々な NGO の活動家やジャーナリストらが有志で立ち上げた NGO。コルカタで唯一、家政婦として働く女性への支援を行う。1999 年設立。 |