シャプラニールのフェアトレード(クラフトリンク)は、バングラデシュでは現在9つの団体と取引をしています。そのなかのひとつ、BRACのクラフトセクションAarong(アーロン)は今年30周年を迎えました。その記念事業として、「ノクシカタ(刺しゅうを施した布)」をテーマにした展示会が開催されています。
昨日、その展示会のオープニングセレモニーに出席してきました。
会場ではバングラデシュの民族音楽が演奏され、アーロンの代表や来賓の方々のスピーチのほか、生産者に対する表彰などが行われました。
スピーチと展示を見て、アーロンがやってきたことのすばらしさを感じました。そして、このノクシカタを芸術品として、同時に農村部の仕事づくりとして確立してきたことはバングラデシュにとってどれだけ大きな意味があるのか、計り知れないことでしょう。
30年前、もともと着古したサリーを重ねて布団などにするために刺しゅう(刺し子)を施した布。それを、独立後の復興活動のひとつとして、現金収入、仕事の機会を作り出す手工芸品となった。それはアーロンだけではなく様々な団体がやってきたことです。しかし、アーロンはそれをさらに芸術的価値にまで高め、海外の人々に買ってもらうだけではなく、バングラデシュ社会の中でも価値を高めていったのですから。
展示スペースでは、30年以上前の「ノクシカタ」から最新デザインのもの(タペストリー、サリーなど)が展示されています。また、ステッチひとつひとつ、それ自体が“芸術”であるとして展示しています。その感覚に感動してしまう。
この国には本当に豊かな芸術であふれています。それが特別なものではなくて日々の生活の中にあります。詩、音楽、手仕事、暮らし、デザイン、色、etc. 展示を見ながらとても感動してしまった。
この展示会は29日まで、Shilpakala Academyで開催しています。ダッカ在住の方がいらっしゃいましたら、ぜひ行ってみてください。