こんにちは!国内活動グループインターンの浅野です!
今回は初の試み、先日開催したオンライン版シャプラバの様子をお伝えします!

こういう状況だからこそ、シャプラニールにできることをやろう!ということで、初回はネパール事務所長の勝井が登壇し、ネパールでの活動(洪水リスク軽減、児童労働削減)とロックダウンが続く”ネパールのいま”をお伝えしました。講座の内容や感じたこと、参加してくださった方の声をご紹介します!

まずは、コロナウイルスの感染が拡大する前から、シャプラニールが取り組んでいるOne River One Community Project(広域流域管理コンセプトに基づく洪水リスク軽減事業)についてのお話でした。

このプロジェクトは、チトワン国立公園とインド国境に挟まれたマディ地区で行っています。洪水リスクを軽減するための防災事業で、住民・区・市レベルで連携して活動を行っています。避難訓練やインフラ設置、また集落で結成している委員会の様子などを聞くことができました。

特に印象に残っているのは実際に住民たちが集まって会議している様子です。会議ではプロジェクトで何をするか、これまでの振り返り、そもそもなぜ委員会が必要なのかといったことを話しているそうです。

委員会の様子

この話を聞いて、まずは住民がプロジェクトの意義や必要性をしっかり理解することが大切だということを、改めて知ることができました。時間のかかることかもしれないけれど、一度住民の間に根付いた活動はずっと続いていくと思います。みんなの命をみんなで守るために、こういった地道な活動を積み重ねていくことを忘れてはいけないと感じました。

後半は現在のネパールでの、コロナウイルスへの対応や現地の状況についてのお話でした。ネパールでは3月下旬に2名の感染者が出てから、アライバルビザの停止やロックダウン、インドとの国境封鎖など、政府による迅速な対応が進められてきました。その甲斐もあってか、5/2には感染者59名と、日本に比べるとだいぶ少なく、とても驚きました。

ロックダウンはしているものの、お金があれば食糧や薬は買うことができるそうです。お店でも人数制限をしたり、並ぶ位置を丸印で囲って距離をとるなど、ウイルス対策を徹底しているように感じました。
「マスクへの抵抗はないのか?」という質問もでましたが、PM2.5の影響もあってか、布製のマスクも普段から出回っており、首都カトマンズではしていない人はめったに見かけないそうです。
また、電話をかけると音楽の代わりに「手洗いを!」といったメッセージが流れるなど、日本にはない工夫もみられているそうです。

nepal-1これだけ徹底している理由の一つとして、ネパールの人たちは、ヨーロッパでの感染拡大や医療崩壊の様子を見て、これが自分たちの国で起こったらひとたまりもない、純粋に怖いと感じているようだというお話もありました。
一方で、カトマンズに出稼ぎに出ていた日雇いの労働者たちが帰れない、戻っても収入がない、ロックダウンの影響で物流が滞る、といった問題も出てきているそうです。シャプラニールでは現地パートナー団体を通じ、貧困世帯に向けた食糧配布へ資金提供をしています。後半はその様子を聞くことができました(詳しくはこちら)。

シャプラバに参加して、現地の情報を現地にいる職員から直接聞けたことがとてもよかったです。参加者の方からも、「現地からの直接の声を聞けて良かった」という声や「マスコミではなかなか取り上げない話を聞けた」という声が多く寄せられました。
また、ネパールは政府も住民もコロナ対策が迅速で徹底している、という印象を受け正直驚きました。参加者からも「日本よりも感染者が少ないのに警戒態勢が整っていて驚いた」、「日本よりよほど正しくコロナを恐れている」、「ネパール人の冷静な対応に感動した」といった感想があり、途上国、先進国に関わらず、国によって違いがあることを改めて感じました。

正しい情報を知り正しく恐れること、そして自分にできることを考えることが大切で、そのためには勝手なイメージで物事を判断するのではなく、情報をよく見極め、現地の生活の様子や人々の声など、数字だけではない情報を知ることが大切だと思いました。そういった意味で、数字では表せない情報をシャプラニールが発信できるのは、今までの地道な活動があるからだ思います。そういったシャプラニールの強みを改めて感じる機会となりました。

今回の講座は動画を公開しています!皆さまもぜひ、ご覧ください。
動画はこちら

国内活動グループインターン 浅野