今回はチョールの電力事情についてです。

PAPRIのプロジェクト中間評価のためにチョールを訪れた訳ですが、一番驚いたのは村を歩いていると太陽光発電パネルを結構な割合でみかけることです。直感的にですが、ざっくり4?5軒に1軒位の割合で導入されているように見受けられました(※1)。

(※1)動画へのリンク

チョールの電力事情①

チョールの電力事情②

このシステム、シンプルな割りに結構優れもので、TVを見ることはもちろん、電灯、PC、モバイルのチャージなど様々な用途に使用することができます。耐久年数はパネルが20年、バッテリーは5年位で要交換とのこと。販売会社のオフィスもチョールの中にあります。

さて、気になるお値段の方ですが、基本的に発電量とパネルとバッテリーはセットになっていて、発電量と蓄電容量で価格が変わって来ます。容量の比較的小さいものだと15,000タカ(1タカ≒1.2円、2010年11月)位で購入可能、後は20,000タカから30,000タカ以上のセットもあるそうです。

ヒアリングしたお宅では「32,000タカだった」と言っていました。結構いいのを使ってますね。

ただやはりキモになるのはバッテリーかと思います。

私自身バイクに乗っていて昔から思っていたことなんですが、この数十年の間にエンジン出力やコーナリング性能などはチェーンやタイヤの性能向上に伴って飛躍的に改善されているのに、バッテリーだけはあまり性能が変わっていないんです。だから数年使ったら寿命が来て交換。ランニングコストがバカになりません。

ただ、それでも電気もガスも水道もないチョールにおいてかなり有用なシステムであるのは確か。EV(電気自動車)の本格的な普及期は目の前ですから、バッテリー性能の向上も期待できると思います。

数年では無理だと思いますが、将来EVの普及に伴って車載バッテリーの住宅利用(※2)が進めばチョールの住環境も変わってくるかもしれません。いや、それまでにバングラデシュ政府が全国的に電力問題を改善してるかな(全然イメージできませんけど・・・)。

(※2)伊藤忠商事が米国の電力大手と組み、2012年にも電気自動車(EV)に積むリチウムイオン電池の再利用を事業化。使用済みの車載電池を米国の住宅や送配電網向けの蓄電池として供給するとの報道。(2010/11/24、日経新聞、朝刊1面)