先日チョールを訪れたときに、販売会社にお邪魔して担当者から直接ヒアリングしてきました。新たな情報が入りましたので続報をお届けします。

既に就業時間も終わり、事務所も閉まっていたのですが、「商品について教えてくれ」と無理やり頼み込んで小一時間ほどヒアリングを実施。「厚かましいかな?」という日本人的な考えがちらっと頭をかすめたものの、基本こちらのお国の方々はこの手の遠慮をしません。ということで私もこちらの流儀に倣って時間外ノーアポの突撃取材を敢行。
元来遠慮深い性格のはずが、バングラ色に染まりつつあることを自覚した今日この頃です。
さて、ヒアリングを行ったのは「グラミンショクティ」という会社。過去のブログ「チョールの電力事情②」(https://www.shaplaneer.org/images/blog/sugahara/2011/01/post-17.html)で太陽光発電システムの販売会社が「グラミンバンク」と記載しましたが、正しくは「グラミンショクティ」だったことが分かりましたので、訂正させて頂きます。「ショクティ」とはベンガル語で「力(power, energy)」の意味です。
この組織は会社形式をとっており、コマーシャルベースの事業を行っているとのこと。しかもこのチョール(ライプラ・チョール)に事務所を構えたのは1996年とのことで、既に15年もの活動実績があるということになります。この会社自体の設立も1996年なので、設立当初からチョールで事業を行っている訳ですね。
すごいなぁ。最近でこそ”NEXT11″なんて言われてますが、15年前のバ国の経済環境で果たして商売が成り立っていたのかどうか。赤字が出ても続けていたのなら大したものです。
商品価格には幅があり、太陽光パネルはTK4,176(20Wp)~TK27,150(130Wp)までの11種類の中から、バッテリーはTK2,000(18Ah)~TK14,318(130Ah)の6種類の中から選択可能。過去のブログではセット売りしかないと書いたのですが、グラミンショクティでは「バラ売り可」ということでした。ひょっとしてあの時聞いたのは競合他社の話だったのかな。ちなみに梱包を解いたらこんな感じ。
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写真のパネルは真ん中クラスのスペックで、これよりハイスペックなパネルは黒い部分の面積がもっと増えます。残念ながら仕入れ値は「分からない」って言われてしまいました。(ほんとうに知らなかったのか、或いはとぼけたのか)
商品の購入に対しては1年~3年のローンを提供しているそうです。ただし、1年ローンは法人のみで、個人顧客は2年か3年のみ選択できるとのこと。利率は2年が25%、3年が15%だそうです(年率)。利率としてはまぁこんなものではないでしょうか。
そうそう、ライプラ・チョールではグラミン以外に「Rural Service」と「Bright Green」という2社が太陽光発電システムを販売しているそうで、いずれも取扱製品は中国製かインド製らしいのですが、グラミンショクティの製品はほぼすべて「Made in Japan」!これが一番たまげました。
いったいどのメーカーの製品かというと…
京セラ!
RIMG1325.jpg東京芝浦電気!
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これ日本からの輸入ではなく、タイの東芝から買っているそうです。バングラでは一本120タカで販売していますが、タイでの買付金額は一本60タカくらいだと言ってました。写真はありませんが、バッテリーも東芝(蛍光灯と同じようにタイからの買付)だそうです。
「日本製だ」って言われたときは頭の中でPanasonicとかSANYO、GSユアサ等を予想したのですが、全部ハズレでした。。。グラミンショクティのスタッフは「このチョールにある販売会社3社の中で、日本製を扱ってるのはウチだけだ!」って得意げに説明してくれました。うんうん。日本人としては悪い気はしないぞ。
ちなみに下の写真は電流だか電圧だかを制御するためのコントローラーですが、これだけはバングラ国内でのアッセンブリ―だそうです。
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というのも、グラミンショクティに雇用されたバングラの女性たちが手で組み上げているのだそうです。
生産者として貧しい女性を雇うことで雇用創出しつつ、チョールという電気インフラの存在しない場所で販売することによってそこに暮らす人々の生活上の課題も解決しようとする。正にソーシャルビジネスと言えそうな取組みですね。