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COVID-19の影響でバングラデシュでは今年中に2万8000人の子どもが亡くなる可能性がある(UNICEF)―
このようなショッキングな数値に立ち向かい、バングラデシュの子どもたちをCOVID-19から守ろうと活動する、3名のスピーカーはこの現状をどのように捉えているのでしょうか。

こんにちは!広報グループインターンの小板橋あや乃です。
ライブ配信企画「コロナ禍、世界一の過密都市ダッカで働く少女たちを救え! ~バングラデシュでおよそ50年活動する日本発祥のNGOの挑戦~」の最終回、に参加したので、内容や気づきなどをまとめました。
また、本投稿の最後にはライブ配信の動画を公開しております。ぜひご覧ください!

第三弾の配信は「わたし8歳、職業、家事使用人。」の著者で、立教大学教員である日下部尚徳氏をモデレーターに迎え、対談形式で進められました。
登壇者には、バングラデシュでストリートチルドレンの支援、人間力育成を行うNGO「エクマットラ」共同代表の渡部大樹氏と、シャプラニールバングラデシュ事務局長の内山智子を迎えました。
エクマットラはストリートチルドレンの自立支援、シャプラニールは家事使用人の少女の支援と、いずれのNGOも最前線でバングラデシュの子どもを守る活動をしているということから、共通点が多いです。

ライブ中に行われた対談の一部をご紹介
Q(日下部):バングラデシュの人々のCOVID-19に対する認識や行動はどのようなものでしょうか。
A(渡辺):バングラデシュでは、経済を優先すべきという考え方や働かなければ生活ができないという状況から、積極的に仕事をしている人が多い。しかし、COVID-19が風邪だという認識や、自粛疲れからマスクをしない人々が増えていて、大変心配である。
(内山):一時帰国をし、7月頭にバングラデシュに戻りましたが、いつも人に溢れているダッカでも車が減った傾向や、日雇い労働者が失業し物乞いが増えた、もしくは村に帰るという動きが見られました。

Q:(日下部)COVID-19による支援活動への影響はありますか?
A:(内山)今回のパンデミックで、日雇い労働者の両親が失業するなどの理由から、家庭全体が困窮する事態に発展しました。また、学校も閉鎖されているため、現在学校に通うことができている少女でも、これを機に家事使用人として送り出される、児童婚に進むというリスクがあります。
シャプラニールでも家事使用人の少女たちが勉強や友達と話すことができる支援センターを運営していますが、現在閉鎖されています。そのため、仕事をしない自由な時間が確保できなくなってしまいました。現地スタッフと話し合い、宿題を作成し、子どもたちの状況の確認を兼ねて配布を行っています。
(渡辺)エクマットラはストリートチルドレンの支援をしている団体として、可能な限り多くの子供たちに手を差し伸べたいのはもちろんですが、スタッフと子どもたちの安全を考えると現在の支援を継続するという判断に至り、ジレンマがあります。安全性を考えると実地調査が難しいため、支援している子どものお母さんや親戚の方々から、どのような子供が最も支援を必要としているか聞き込みをしています。

Q:(日下部)COVID-19による子供たちへの健康リスクはあるのでしょうか?
A:(渡辺)幸い、スラムの方が感染拡大をしやすいというデータは確認されていないが、貧しい人々は感染した際の適切な治療を受けられるのかが不安である。また、感染症への懸念から、病院は陰性証明を持っている人のみ一般の診療を受けられることにしているところも多い。そのため、検査を受けられていない貧困層の人々の健康が心配である。
スラムにいる子どもたちは裸足で生活していることも多く、小さい傷から破傷風になるリスクもある。平常であれば簡単に治療できた病気も、医療へのアクセスが閉ざされることによって治療が難しくなり、子どもたちの健康が心配である。

イベント当日、バングラデシュのネット環境が不安定になり、内山事務局長が10分ほど抜けてしまうというハプニングも起こりました。しかし、ライブ配信の醍醐味である臨場感が出たのではないでしょうか?

▼以下、ライブ配信の様子です

短い時間ではありましたが、ご参加いただいた多くの皆さま、ありがとうございました!