プロジェクトの話をぜんぜん書かずに選挙がらみの話ばかりですみませんが、何しろ今バングラデシュではこれが万人の一番の関心事なので、つい…。ダッカ事務所の昼ごはん時も皆口からご飯粒を飛ばしそうな勢いで選挙や政治の話をするので、静かに食事をするどころじゃありません。
きのうの一人あたりの票数の話、他のスタッフにも聞いてみたら、半数以上のスタッフが2票持っていました。ダッカに住んでいて故郷の村には冠婚葬祭とイード休みぐらいしか帰らないのに、そっちにも票が残っているのは、選挙管理委員会がちゃんと調査をして投票者名簿をアップデートしていないことももちろんありますが、もうひとつ大きな理由があるとのこと。
それは、バングラデシュの地方行政の一番末端の機関であるユニオン評議会の選挙のために、自分の世帯の票数を多く確保しておきたいから、親戚が彼らの名前を名簿から消そうとしない、というのです。ダッカに出てきているうちのスタッフたちの親族は、自分たちの一番身近なユニオン評議会のチェアマンやメンバーの選挙にあたり、知り合いや親戚などに一票でも多く投票したいわけですね。それで、「どうせわかんないんだから、●●(ダッカにいる家族)のことは黙ってそのままにしとこう」ということになるようです。チェック機能もなく、みんながみんな当たり前のようにそれをやっているらしい。
投票者名簿をめぐっては、他にもいろいろ問題があります。例えばダッカなどの大都市ではスラム人口が膨れ上がる一方ですが、投票者リストに載せる住所としてスラムの住所は認められないのです。その結果、膨大な数の人々が投票権をもたないことになります。
さて、これから選挙まで、どうなりますやら…。