今夜は私たちが時々行く、グルシャンのスパゲティ・ジャズというお店(ダッカにある数少ないイタリアン・レストランのひとつ)で、「ルネッサン」というこちらのバンドのコンサートがあって、ぜひ行きたかったんですけど結局断念。仕事は片付かないし、明日も朝から日帰り地方出張で、パートナー団体とシビアな来年度予算の話をしてこないといけないし、それどころじゃなかろう...と。あーでもやっぱり残念だったな。
この「ルネッサン」というバンドは、昨年末に行われた「Concert Against Corruption (汚職・腐敗に反対するコンサート)」に出演した約30のグループのうちのひとつ。バングラデシュのロック・バンドの中では、かなり人気の高いバンドです。私も彼らの「21世紀に」というタイトルのCDを持っていて、けっこう気に入ってます。
この「汚職・腐敗に反対するコンサート」、年末の12月29日にダッカのグルシャン・ユース・クラブのグラウンドで開催された、バングラデシュでは初めての試み。主催は世界の汚職・腐敗問題に取り組む国際NGOのトランスペアレンシー・インターナショナル・バングラデシュ事務所(TIB)です。TIBは、とくに若者への働きかけを重視していて、このコンサートも将来に向けて、汚職・腐敗に反対する若者リーダーを育てよう、という「YES」というプロジェクトの一環。若者たちのボランティア・グループを組織して、コンサートのみならず汚職・腐敗に反対する作文や漫画のコンテストなど、いろいろなことをやっているようです。うーん、面白いですね。
このコンサートについて伝える新聞記事はこちら。
写真入りで紹介しているブログも発見。このラッセルさんて人もミュージシャンかしら。
このコンサートには、新聞社のDaily Starやチャンネル・アイなどテレビ局2局、先日このブログでもご紹介したダッカの2つのFM局がスポンサーとなり、入場料は無料で、1万人以上の若者たちが集まったとか。見たかったなあ...。バンドだけじゃなくて、クシュティアからバウル(注:ベンガルの吟遊詩人)も来たし、ユヌスさんも挨拶したし、ほかにも何人も有名人が参加したそう。NGOの主催でこっちの企業がスポンサーになって、こういうコンサートをやったっていうのは画期的だと思います。若者に人気のグループや話題のFMラジオ局をしっかり押さえているところが素晴らしい。汚職や腐敗にノー!と言うことこそがカッコイイんだ!と若い人たちが思ってくれるといいですよね。
年明けにTIBの代表の方とお会いする機会があったのに、年末年始一時帰国していた私は不覚にもこのコンサートのことをそのとき知らなかったんですよね。知ってたらいろいろお聞きしたかったのになあ..。
やっぱり未来を変えていくには、若者に働きかけないとな、と思います。私たちの農村のプロジェクト地でも、10代前半で結婚させられそうになった少女の親を説得して思いとどまらせたのは、その少女が参加していた少女グループの仲間たちでした。よそのおとなが説得して早婚を止めさせた、という話は聞いたことがないけど、少女たちが仲間の早婚を止めたケースはいくつか報告を受けています。
日本国内でシャプラニールがやっているような、都市部でのユース・グループの活動や大学を回って話をするキャラバンなど、バングラデシュでもそろそろできるといいんだろうけどなあ。でも、そういう企画をファシリテートするのって大変そう。もうひとり新しいセンスを持った、若いバングラデシュ人スタッフがほしいところですね。