13(土)~14日(日)にガイバンダに出張に行ってきて寒かったー、とこの前ブログに書きましたが、何をしに行っていたかというと、寒波の救援で衣料配布をしに行っていました。より正確に言うと、シャプラニールが寒波救援の衣料配布をすることを決めまして、まず第一弾として北部のガイバンダのNGOであるGUKと、マイメンシンのNGOのCOLIと一緒に配布活動をすることになったんですね。それで、ガイバンダではシャプラニールの資金でGUKが衣類や毛布を購入して、誰に配るかをリストアップして、スタンバイしてくれたところに私たちも行って、配布をしてきた、ということです。
シャプラニールのウェブサイトに寒波救援の特設ページができたので、概要についてはにそちらをご覧いただきたいのですが、今年のバングラデシュの冬、例年になく寒いんです。全体的に寒いんですが、とくに北部は朝晩冷え込みがきつくて、とくに貧しい人たち、その中でもお年寄りや病人、小さな子どもたちを直撃しています。
ガイバンダ県はダッカから北西方向に車で5時間ぐらい。この県の中でもとくにジョムナ河の侵食の影響が大きいフルチョリ郡というところで、とくに困窮した状況の人たちに、衣類と毛布の配布を行いました。夫婦と子ども、といった家族向けにはサリー1枚・ルンギ(腰巻)1枚・子どものセーター1枚の「家族セット」を計400世帯に。お年寄りや病人などには毛布を350世帯に。サリーやルンギでは寒さがしのげないのではないかと思ったのですが、GUKのスタッフによると、極貧層にはそういう基本的な衣類もまともに買えない人が多いので、寒いときだけでなく夏も使えるサリーやルンギが案外喜ばれるのだそうです。もちろん重ね着したり、くるまったりもできます。
配布は14日に会場を決めて行ったのですが、その対象者のうち数人の家を13日の夕方に訪問しました。
以下は、その人たちの写真です。
片目が見えないニルワラさん。夫と息子に死なれ、息子の妻とその子どもと暮らしています。毛布を配布。
ニルワラさんの寝床。土間に直接藁を敷いて、そこに布を敷いて寝ています。床から冷気が直接伝わってとても寒いはずです。タオルなどあるものをかき集めてかけているみたい。
サッタルさん。河の浸食で家を失い、15年ぐらいこの小屋にひとりで住み、物乞いをしてなんとか食べています。毛布を配布。
ベンギさん。背中を丸めて外で料理をしていました。毛布を配布。
ベンギさんの寝床。木の寝台にかろうじて薄いカタ(古いサリーをはぎ合わせて刺し子したもの)が1枚ありました。でも壁はジュートの芯を束ねただけで風入り放題。
二人の息子が二人とも足に障がいがあって歩けない一家。栄養失調が原因なのか。家族セットを配布。
どんどん崩れていく川岸。乾期の今は川の水が引いていますが、雨季にはこのぎりぎりのところまで水が来ます。洪水のときはこの上まで。
私が訪ねたこの地域は川の浸食で家を失って移住してきた人がほとんどなのですが、女性だけの世帯が多く、一人暮らしのお年寄りも少なくなかったです。夫はダッカに出稼ぎに行ってそこで死んでしまった、とか、息子がいたけど、結婚して寄りつかなくなった、とか。
一人暮らしのお爺さん、お婆さんたちの様子には特に心が痛みました。冷たい風の入る小屋の中、ひとりきりで寒さと必死で戦っている、という感じでした。
寒さで困っている極貧状態の人はこの国にはあまりにたくさんいて、それに比べると配れるのはがんばってもごくわずか、ということになってしまいますが、それでも寒さで命を落としたり、病気になってしまう人をひとりでも減らし、この寒波を乗り切ってもらえたらと思います。
この救援配布活動に皆様の募金をお願いしています。クレジットカードでも募金できるようになりましたので、どうぞご協力ください。千円で、家族セットなら2世帯分、毛布なら4枚が買えます。
明日は、配布会場で撮った写真をアップします。