最近、バングラデシュのメディアにはいろいろ新しい動きがあって注目しているのですが、今日はそのうちのひとつ、FMラジオの話です。
ダッカではついこの前まで、FMといえば時間の限られたBBC放送しかなかったのですが、昨年からプライベートのFM放送がスタートし、ラジオを聴く習慣を忘れかけていたダッカっ子たちに新たなブームを呼んでいます。
現在、ダッカで聞けるFMには、昨年7月ごろ開局したRadio Today FM89.6と、数ヶ月遅れて開局したRadio Foorti FM98.4があるのですが、人気なのは断然Radio Today。彼らが目指しているのは「インフォテーメント」だそうですが、その通り、実用的な情報とエンターテイメントがなかなかうまくミックスされたプログラムです。
実用的な情報の代表は、30分に一度流れる道路情報、「ダッカル・チャカ(ダッカの車輪)」。ダッカの渋滞は日に日にひどくなる一方で、全然動かない道路でうんざり、ということもしばしば。そんな中、今どこが渋滞しているか30分ごとに教えてくれるこの放送は便利です。そして、市場価格情報を伝えてくれる「アージケル・バザール(今日の市場)」。今も私はこの放送を聴きなが書いてるんですが、今日の放送はミルプール11番街の市場から。砂糖やダール豆、コンデンスミルク、マスタード・オイルなど、市民の暮らしになくてはならない基本食料品の値段を伝えていました。このほか、1日4~5回のニュースも中立的でわりといい、という評判です。
エンターテイメントのほうは、流行の歌が中心ですが、話題のアーティストやビジネスマンを招待してのインタビュー番組もあります。デジタルの設備を備えているので音質もよく、私が日本から担いできたBoseのMusic Systemでもきれいに入ります。
もうひとつのRadio Foorti(フルティ=大きな喜び、英語で言うならJOY)は、音楽・エンターテイメント中心の番組構成ですが、彼らにとっての不幸はダッカを走っている車の多くが日本車で、FMが90.0までしかキャッチできないこと。これらダッカのFM放送が対象としているような中~上流階級の人たちの多くは車の中でラジオを聴くことが多いので、これはけっこう致命的。
それでも車以外にも、ラジオを聴く人が増えている理由のひとつには、若者を中心に人気を集めている携帯電話のラジオ機能があげられます。わがダッカ事務所の運転手のシポンもこのラジオが聞ける携帯電話を持っていて、ヒマな待ち時間はよくイヤホンをつけてFMを聴いてるんだそうです。電話がかかってくると自動的に電話に切り替わるんだそうで、なかなか便利ですね。
放送がキャッチできる範囲は狭くて、ダッカから80km圏内ぐらい。ウチの事務所のスタッフによると、私たちの活動地でもっとも距離的にダッカに近い、マニクゴンジ県のポイラ村でもぎりぎり聴けた、という話です。マイメンシン県のイショルゴンジではぜんぜん無理。ノルシンディ県でもダメでした。
ちなみにどちらも放送はベンガル語。DJのおしゃべりを聞くのはベンガル語上達にもいいかも。
ダッカに来られたらぜひ、聴いてみてくださいね。
追記(1月21日):今日、ノルシンディ県のPAPRIナラヤンプール事務所にラジオ・トゥデイを聴きながら行ったら、事務所の前までちゃんと聴けました。ノルシンディ県ダメ、というのは間違いでした。