前にも一度、当面選挙はなさそうだ、という話をお伝えしましたが、昨日選挙管理委員会が「少なくとも18ヶ月は選挙はできない」との見通しを発表しました。(新聞記事はコチラ)顔写真入り選挙人名簿と国民IDカードを同時並行で準備するのに約18ヶ月かかる見込みなので、その仕事が終わるまでは国政選挙も地方選挙も一切ナシ、とのことです。
1年半、結構長いですね。確かにこの機を逃したら選挙人名簿やIDカードはしばらく作れないだろうなあ、とは思いますが、投票で選ばれたのではない選挙管理内閣という暫定政権がそこまで長く続いてよいのかどうか、なんとも言い難いところです。まともにやってくれればいいですが、もしなんらかの形で暴走したら止めようがなさそうだし。
先週の月曜日、ダッカでの政治学協会のセミナーで、モイーン陸軍参謀長が「バングラデシュにはわが国独自の民主主義が必要だ」と発言するなど、非常事態宣言後表立っては姿を見せなかった軍のトップが、最近公的な場で政治的発言を始めているのも気になるところです。
この発言があった直後の昼食時、「わが国独自の民主主義(Our own brand of democracy)」という発言の意味するところについて、うちの事務所のスタッフたちも大議論していました。「エルシャドが政権をとる前と状況が似てる」と警戒心を見せている人もいます。
今後軍はどう動くのでしょう。選挙管理内閣の最大の支援者、という陰の役割に徹することができるのか、それとも表に出てくるのか。民主的でクリーンな選挙は果たして実現するのか。