「私は今モーレツに感動している…」というのは言いすぎですが(なんだっけ、このセリフ。なんか漫画の主人公のセリフだったような)、かなり感動しています。グラミン・フォーンの携帯電話で、携帯のネットワークさえあれば、バングラデシュ中どこでもインターネット接続ができるようになったんです!!しかもいくらつないでも月額1000タカ(1タカ=約1.7円)で、これはこちらの普通のインターネットのプロバイダーより安いんです。
この話を最初に聞きつけたのは実は東京にいる前ダッカ事務所長の白幡職員。先日東京事務所で勉強会の講師をしてくれたバングラデシュNGO関係者から聞いたんだそうで、すぐメールで教えてくれました。こっちにいる私より情報が早かったのはさすがパソコン好き。
私はこれまで自宅で使っていたインターネットのプロバイダーがこのところサービスの質が落ち、スピードも遅くてイライラしてたので、早速最寄りのグラミン・フォーン・センターに走りました。そこで「携帯電話にパソコンをつないでインターネットができるようになったって聞いたんですけど何が必要なんですか?」と勢い込んで聞いたところ、ボランティアに興味があるという若いお姉さんが以下のことを教えてくれました。
必要なのは、
●モデム機能をもった携帯電話機
●携帯付属のソフトウェア
●電話とパソコンをつなぐケーブル
これらがあって、後払いのグラミン・フォーン契約者であれば、すぐ使えますよ~とのこと。
私が使っていたシンプルな携帯電話は、懐中電灯がついているのが停電のときや農村の闇夜で便利ではあったけど、これではネットには繋げない…。ということで、その日のうちに私はおニューの携帯電話をクレジットカードで購入。携帯電話のレベルによって接続スピードも違うというので、奮発してNokiaの最新のセットを買っちゃいました。これ、ラジオも聞けるし、カメラもついてるし、もちろんモデム機能もあるんです。パソコンと繋ぐケーブルや接続ソフトなどが入ったCDもぜんぶセットになっていました。こういう携帯電話は日本で買うより高く、贅沢品です。私が買ったモデルは2万タカしましたが、1万5千タカぐらいでも十分ハイスピードで繋げるモデルはあります。
写真=おニューの携帯をパソコンに繋いでシャプラニールのHPを見ているところ
このブログを読んでくださっている方にはダッカ在住の方や時々出張でバングラデシュにみえる方もいらっしゃるので、申し込みや設定の仕方もついでにかいつまんでお教えしますね(詳しいことはグラミン・フォーンのウェブサイトに出ています→コチラ)。 あまり関係ない方は読み飛ばしてください。
<携帯でインターネット接続できるようになるための手順>
●ソフトウェアをパソコンにインストールする
●使用する携帯から、8080に「Edge p2」とSMSを送る
●そうすると、「了解しました。72時間以内にEdgeサービスがactivateされます」という返事がくる
●8080に「Internet_ (携帯のメーカー名)_(品番) 」とSMSを送る (_はスペース)
例:Internet nokia 6233
●そうすると、携帯に「PIN CODEを入力してください」という表示が出るので、「1234」と入力
●ここまでやると翌日あたりグラミン・フォーンから電話がかかってくるので、Edgeサービスがactivateされていることをそこで確認
●パソコンに携帯を繋ぎ、インストールした接続ソフト(Nokiaの場合、日本語表示も選べるのでカンタン)のアクセスポイントに「gpinternet」と入力。(ユーザー名、パスワードはなくても繋がる)
注1:ここまでやってもうまくつながらないときは、一度携帯の電源を切ってまたオンにすると繋がる
注2:これをやってもわからないときは、グラミンのカスタマー・サービス121に電話して訊く。
これでついに今日インターネットに繋げました。しかも今まで使ってたサービスよりずっと速いんです。日本のブロードバンドには及ぶべくもないけど、バングラデシュにしちゃこれは十分速い。わ~い、嬉しいわー。もう高くてサービスの悪いプロバイダーは解約しちゃおっと。
…と、しかし。ここでいくつか要注意事項もあったのでした。
ネットも携帯ですることになると、
●ネットに繋ぎながら電話で喋る、ということができない。
●携帯電話への依存度が高まるので、失くしたり盗られると大ショック。
●こういう多機能携帯は充電があまり長くもたない
1点目はネットに繋いでても電話がかかってくれば取れるし、スカイプなら使えるからそれほど問題ないし、3点目もスペアのバッテリーを買えばいいのだけれど、2点目はちょっと考える必要がありますね。地上電話線も引いてない我が家では、今は携帯とインターネットがべつべつで、2つの連絡手段があるけど、携帯だけに頼っていると、グラミン・フォーンののサービスがダメになると両方だめになる。とくに災害時など携帯が繋がらなくなる可能性大で要注意ですね。うーん、でもそのためだけに無駄にプロバイダーにお金払いたくないなあ。そんな大災害だったらプロバイダー接続もダメかもしれないし。
そして、「農村じゃプロバイダーがなくて事務所からメールも送れない、停電でパソコンも使えない」とぼやいている、シャプラニールの農村パートナー団体のマネジャーたちにも教えてあげよっかな、と思ってハタと気がついたのでした。
●農村でも携帯でネットにつなげるようになることがわかっていたら、県庁所在地などに開いたパートナー団体の連絡事務所(そこならインターネットが繋がるので連絡の拠点に、というのが大きな目的のひとつだった)はなくても済んだんじゃないか?
まあ、ネットを使うだけじゃなく行政機関や他団体との連絡拠点、という意味もあるし、周辺で既にいろいろ活動も始めているから、開いちゃってる事務所はいいんですけどね…。
この通信テクノロジーの進歩は、バングラデシュ農村部に拠点をもつローカルNGOには朗報ですね。NGOに限らず、農村にいながらネットに繋げられることで、できるようになる仕事は多いでしょう。携帯電話の普及だけでも、農村部の人々の出稼ぎや市場開拓の動きにかなりの変化をもたらしたようですしね。(パソコンやモデムつき携帯はかなりお金がないと手が出ないものではありますが…。)
日本からの出張者も私たち駐在員も、そのうち「農村部に出張なのでその間メールは見られません」と言えなくなっちゃいますね。いいんだか、悪いんだか…。