昨日の新聞では、カレダ・ジア前首相は今日明日中にもサウジに向け出国の見込みで、荷物も全てパッキングを済ませ、最後の「特別許可」を受けて拘禁下にある息子タリク・ラーマンと面会するという話でしたが、結局昨日はタリクがいるダッカ中央刑務所にも現れず、1日でも出国を遅らせようと頑張っている模様です。

昨日最高裁判所は政府に対し、カレダが違法な軟禁状態にあるのか否か、説明を求めました(新聞記事はコチラ)。BNP幹部の請願に応えての対応のようですが、これがどこまで影響があるのかよくわかりません。

政府関係者が「軟禁状態などない、国外脱出も彼女の意志」と答えればそれで終わってしまいそうな気もします。

カレダ総裁の出国前の心残りNo.1は息子タリクの運命でしょうが、自分が去った後の党の運営についてBNPのリーダーたちと話し合いたいという要望も出しているようです。帰国の途上にある宿命のライバル、アワミ連盟総裁シェイク・ハシナの運命も見届けたいに違いありません。英字紙Daily Starの記事に「ここ15年以上にわたり激しく憎み合い、ほとんど言葉を交わすこともなかった二人の女性党首が、同じような運命を分かち合うことになったのは皮肉なことだ」とありましたが、本当ですね。

シェイク・ハシナの帰国については、政府は18日に以下のようなプレス・ノートを出しました。婉曲的な言い回しですが、要は帰国をブロックすることを宣言したわけです。

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●23日にシェイク・ハシナが帰国すると伝えられているが、昨年彼女のリーダーシップによりアワミ連盟その他の政党が行ったアジテーションにより、法や秩序が乱され、国のセキュリティに著しい混乱をきたし、非常事態宣言を出さざるを得ない状況になった。また、国外にいる間、彼女は内外のメディアを通して現選挙管理内閣や法執行機関に対し、挑発的で悪意ある発言を行った。彼女の帰国により法や秩序が乱され、現在の安定が妨げられ、国民の安全や経済に悪影響を来たす可能性がある。また、彼女自身が党を通じて身辺保護を依頼してきているように、本人も自らの安全を危惧している。これらの理由から政府は彼女の帰国にあたって慎重な対応をとることとする。ただし、これらの対応は一時的なものである。空港や港、航空各社には既にこの件について連絡済みであり、政府関係機関や警察にも必要な措置をとるよう指示済みである。

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ハシナ元首相は既にアメリカを後にし、昨日ロンドンに到着(新聞記事はコチラ)。そこで数人の英国の官僚や国会議員、アムネスティ・インターナショナルの幹部などと面会し、23日にダッカ到着の予定です。空港で逮捕劇が繰り広げられることになるのでしょうか。それとも英国滞在中になんらかの動きがあるかもしれません。

息子ジョイに付き添われ、笑みを浮かべつつダラス空港でチェックインするハシナの写真が今朝の新聞に載っていましたが、果たして勝算はあるんでしょうか?