チッタゴンの地すべり災害の死者は、今日の午前中の段階で118名にのぼっています。今も救出活動は続いており、この数字は残念ながらまだ増えてしまうでしょう。
崩れ落ちた丘の土砂で運河や側溝が埋まり、チッタゴンの町もあらゆるところで麻痺状態になっているようです。チッタゴン港からの荷の輸送にも影響があるでしょう。
おととい「目先のことしか考えない開発に腹が立つ」と書きましたが、実際は「開発業者や土砂業者などが好き勝手に丘を削り、行政もそれを放ったらかしにしてきた」というのが実情のようです。役所には当然こういったことを監視すべき役目の人がいるはずですが、何もしてこなかったか、業者とつるんで儲けていたか、ということなのでしょう。テレビの環境専門家の談話では、丘を削ったり土砂を運び出したりすることを規制する法律を新たにつくるべきだ、という話も出ていました。甚大な被害が出てからでないと問題にしない、動かない、とは、人間とはなんて愚かなのでしょう。
人のことばかりはいえません。「いよいよこれはまずい」という状態になってから「なんとかしなきゃ」と動き出すのは私たちの仕事にもあること。日々の仕事に追われたり、以前から続いてきた仕事に疑問を持たず、惰性で繰り返すようなことをしていると、そういう状況に陥ります。
崖が崩れる前に防ぐこと。崩れるずっと前にその危険性を見通して必要な対策を実行すること。
言うのは簡単ですが、実はそう簡単にできないことです。「崖」はどこにあるのか。いつも気をつけていないといけません。