昨夜から今朝にかけてバングラデシュを直撃した、SIDRと名づけられたサイクロンは、1970年、1991年のサイクロンに匹敵するといわれる相当な規模のものでした。ダッカでも昨夜は窓を押してくる風圧の強さにちょっと怖い思いをするほどでした。コンクリートとサッシの窓で守られたこんなしっかりした家でも大丈夫かな、と思うぐらいなのだから、トタンや竹などでできた家に住む村の人たちはどんなに心細い思いをしているだろう、と思いました。
このサイクロンの暴風でダッカ市内でもあちこちで電線が切れたらしく、昨夜から我が家でも電気が切れ、一夜明け午後3時を過ぎた今でも、いまだに復旧していません。昼過ぎまでジェネレーターが動いて明かりがついていましたが、それも燃料が切れたのか先ほど止まってしまいました。ダッカ事務所でも同じ状況です。電気がこないということは、水をくみ上げるポンプも動かせず、蛇口の水も出なくなってしまうということなので、バケツに水を汲み置いたりしています。
サイクロンの通り道となったボリシャル、クルナ地方では、とくに被害が大きかったようです。ネットニュースなどを見ると、これまでに確認されている死者は、少なくとも250人。まだ全貌が把握できていないので、まだこの数字は増えるでしょう。
今日金曜日は休みなので私も家にいるのですが、先ほどクルナ方面出身のダッカ事務所の雑用係、トゥトゥールと電話で話したところ、彼の実家でも大きな木が2本家の上に倒れ、大変なことになっているとのこと。彼の村では大きな木が軒並み倒れ、かなり死者が出たらしいと言います。彼も村に駆けつけたかったようなのですが、今日はクルナ方面に行くバスなどもぜんぜん動いておらず、行くのをあきらめたと話していました。
シャプラニールの農村の活動地では、各パートナー団体の代表に電話で聞いたところでは、死者や重傷者が出るような被害はないようです。家が壊れるなどの被害は多少出ていると思われますが、まだ状況は把握できていません。ノルシンディでも、マニックゴンジでも、ダッカ同様昨夜から電気は来ていないそうです。いつまで停電が続くのかが気になります。停電が続くと携帯電話の充電もできなくなるので、外部との連絡もしにくくなりますし。
ネットのニュースサイトも電気がないため、ニュース配信に苦労しているようです。被害の全貌がわかってくるのは明日以降になりそうです。