昨年の大洪水の影響で米はかなりやられたもののジャガイモは大豊作。ジャガイモが採れすぎて値崩れし、農民は泣きながら二束三文でジャガイモを売っています。
先週、軍のトップであるモイーン陸軍参謀長が「皆が米といっしょにジャガイモを混ぜて食べることを習慣づけるとよい。そうすれば栄養も足りるしジャガイモ農家も助かるし米不足にも対応できる」などと発言。なんだか日本の戦時中みたいな話になってきたな、と思っていたら、昨日のテレビのトークショーでジャーナリストのヌルル・コビール氏が「軍の大将がジャガイモを米に混ぜて食べよう、と提案しているが、軍人はこのご時勢でも特別価格で米や食糧を入手している。ジャガイモを米に混ぜて食べるのはまず軍から始めたらいかがか。軍人が得ている米を半分一般人に提供して、その分ジャガイモを混ぜて食べたらいかが?」と発言したそうで(私はその番組を見そびれました)、ダッカ事務所のスタッフたちが「あれはよく言ったよねー!」と喝采していました。今のバングラデシュで軍人の特権について正面切ってそういうことを言うのはなかなかできることじゃないようです。
バングラデシュの軍人は住居や子弟のための特別な(最高レベルの)学校、医療など、あらゆる面で特別待遇を受けているのは知っていましたが、米をキロ1タカや2タカで入手できるようになっているとは知らなかったのでびっくり。聞けばイギリス植民地時代のレートのままなんだとか。そりゃあひどい。
ヌルル・コビール氏は私も愛読している英字紙New Ageの編集長。思い切ったことを言うので、時に嫌われ、時に賞賛され…という評価のアップダウンが大きい人物ですが、やっぱりジャーナリストにはこういう人がいてもらわなきゃ。今後もぜひその勢いで行っていただきたい、と思います。
ちなみにジャガイモ提案をしたモイーン陸軍参謀長は今年の6月で定年退職の予定でしたが、「公の利益のため」ということで大統領が任期を1年延長しました。彼が次の大統領になる…といった噂は(本人は前から否定していましたが)これでとりあえずナシになるということですね。
今日もNew Ageは市場を視察したモイーン参謀長の、「危機がどこにある?確かに物価は上がってるが危機じゃない。危機はつくられたものだ」という発言を社説で批判していました。