みなさま
あけましておめでとうございます。本年も何卒よろしくお願い申し上げます。
2020年は世界中の人々にとって試練の一年となりました。その試練は未だ終わることなく、多くの人々が厳しい状況に置かれています。
私たちが日本、そして活動地であるバングラデシュやネパールで目の当たりにしたその厳しさは、COVID-19という新たな脅威だけによってもたらされたのでしょうか。私は、格差や貧困、行き過ぎた開発や消費行動、グローバル化など、それ以前から私たちの社会に存在した様々な課題、社会のひずみがCOVID-19というきっかけによって顕在化しているのだと考えています。
恐らく数年後には新型ウイルスの脅威は克服され、私たちは再び日常の生活を送ることができるようになるでしょう。一日も早くそうなることを祈る一方で、私たち一人ひとりの生活や考え方が全く元に戻ってしまっていいのだろうか、という疑問が生まれてきます。今こそ私たちの社会に存在する課題や矛盾を解決し、誰も取り残さない社会を目指すときなのではないか。強くそう感じています。
今朝、家族で家の近くの公園にある小高い丘へ行き、初日の出を拝んできました。心安らかに正月を迎え、家族とともに祝うことができることの幸せを改めてかみしめました。その太陽は地球上のすべての人を平等に照らすはずなのに、ささやかな幸せさえ感じることができない状況に置かれている多くの人がいることを想い、いつもより初日がまぶしく感じられました。
今年も、私たちに出来ることを精いっぱい進めていきたいと思います。想いを同じくするみなさんとともに。
2021年1月1日
事務局長 小松豊明