今日からパートナー団体のPAPRIとSTEPの少女グループ(注)の選抜メンバー計20名が、ジナイダ県のNGOの少女グループを訪ねる2泊3日のツアーに出かけています。それぞれの団体から引率のスタッフ、3-4名、ダッカ事務所からもスタッフ2名とドライバー1名が参加の大集団です。

これまでも村の少女グループの遠足や相互訪問はありましたが、2団体の連合チームで遠くの別の団体へ行く、というのは初めて。私はダッカで留守番しながら、今どの辺りかなあ、みんな元気にしてるかなあ、と気を揉んでいます。村の少女たちにとって、他県へ泊りがけで出かける、というのは大変なこと。とくにPAPRIからの参加者10名のうち5名は、ノルシンディ県ライプラ郡のメグナ河のチョール(中洲)の子たちで、バスどころかリキシャも見たことない、という子たちです。彼女たちにとってジナイダまで行くというのは、東京の子がブラジルに行くぐらいの大冒険じゃないだろうか、と想像します。

バスでゲーゲーする子たちが何人も出ることを想定して、ポリ袋に紙袋を入れたエチケット袋や酔い止めの薬なども用意しています。

ジナイダ県はダッカからでも車で最低6時間ぐらいはかかるところ。普通はマニックゴンジ県のアリチャガットでフェリーに乗ってポッダ(ガンジス)川を渡っていくのですが、昨日からひどい霧でフェリーの運行に支障を来たす事態になってしまいました。

昨日は朝から「こんな霧じゃ明日からのツアー、どうしよう」とスタッフたちと頭を悩ませ、結局フェリーガットを避けてジョムナー橋を渡るルートで行くことを決断。遠回りですが、トイレや食事の場所などはこのルートのほうがたくさんあります。また、当初は各チーム、12人~14人乗りのマイクロバスで別々に行く予定だったのですが、「慣れないマイクロバスは霧の中で事故を起こすかもしれないし、道に迷うかもしれない。いつもこのルートを行き来しているハイウェイバスを借りて一緒に行ったほうがよい」というスタッフたちの主張で、ダッカの1ヶ所に集合して皆がバスに乗り込み、一緒に行くことに。

今朝はダッカ事務所のスタッフから「今、PAPRIのチームが来てバスに乗りこみましたっ!」「STEPチームも来ましたっ!」「これから出発します!」と何度も電話が入り、さっき昼休み中に電話したら「ジョムナ橋を無事に渡ってみんなでお昼食べてます。今のところ異常なしです!」と聞いてほっとひと息。みんな近代的で大きなジョムナ橋を初めて渡って、興奮冷めやらぬ頃でしょう。

一行は今日、ジナイダのNGO事務所などに泊まり、明日4つのグループに分かれて現地NGOの少女グループの活動を見学、夜は歌やお芝居などの文化プログラムを楽しんで、あさっての朝帰途につく予定です。

今回の交流でSTEPとPAPRI、そして訪問先もあわせ3団体の少女たちがますますパワーアップして今後の活動を盛り上げてくれることを期待しています。どうか病人が出たり事故にあったりしませんように…。全員が無事旅を終えて家に帰りついたという知らせを聞くまで、落ち着かない気持ちです。

今頃、村で待つ少女たちの家族はもっと心配しているでしょう。少女たちがたくさんの土産話を持って帰って、家族や村の人たちを楽しませたり感心させたりすることができるといいな、と思います。

追記:その後、夕方4時半過ぎに「ジナイダに着きました!」と電話が。早い…6時ぐらいになるかと思ってたのに。いったいどういうスピードで行ったんだ?帰りも気をつけてよね。でも無事着いてよかった…。

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踊りを披露するSTEPの少女グループメンバー。

注)少女グループ: 13歳から17歳ぐらいまでの村の少女たちが地域ごとにグループをつくって定期的に集まり、リプロダクティブ・ヘルスやリーダーシップの研修を受けたり、文化プログラムを楽しんだり、地域のためにボランティアをしたりするプログラム。現在、PAPRIの活動地に60グループ、STEPの活動地に22グループ、こういった少女グループがあり、メンバー総数は1500人を超えます。JJSと一緒に復興支援活動実施中のシドル被災地、バゲルハット県のボクルトラ村でも6つの少女グループが結成され、活動を始めています。