バングラデシュは、感染者増大により4月5日から7日間の全土ロックダウンとなりました。
バングラデシュでは昨年12月以降、徐々に感染状況が落ち着いており、2月末には1日の新規感染者は300人前後、死者数10人前後という状況でした。また、2月7日からワクチン接種が始まり、現時点で500万人が1回目を接種しています。そんな落ち着きムードが人々の気持ちを油断させてしまったのでしょうか。
3月に入り少しずつ感染者が増え始めたと思ったら、500人、1000人、2000人と急激に増え、3月末には5000人を超えました。2月は3%台まで下がっていた陽性率も、18.94%まで急上昇。4月4日は、新規感染者7,087人、死者53人。陽性率は23.07%まで上がっています。
この状況対して、バングラデシュ政府は「4月5日から7日間の全土ロックダウンを行う」と4月3日に発表。シャプラニールバングラデシュ事務所も4月5日から在宅勤務に切り替え、活動もスケジュール変更等の対応を行っています。
昨年は3月末からロックダウンとなり、2か月間続きました。今年も同じ時期に再びロックダウンとなってしまいました。
この時期のバングラデシュは、4月14日の新年、そして今年は4月中旬から断食が始まり、5月中旬に断食明けのイードがあります。この時期は多くの人が買い物をする、商店にとっては稼ぎ時です。今朝の新聞に、「今年に入って感染者状況が改善していたから、4月5月の売り上げを期待してローンを借りて商品を入荷したというのに」というコメントがありました。昨年もこの稼ぎ時を逃し、今年もまた大きな損失を被ってしまうかもしれません。
また、日雇いで働く人たちは、昨年と同様仕事がなくなり家族が飢えてしまうことを心配しています。「日々の収入がなくなっても日々食事をしなければ生きていけない。去年はお米と唐辛子だけで過ごしていた。この食べ方をするとお腹が痛くなるんだが、じゃがいもや玉ねぎは買えなかったから」。
7日間のロックダウンによりどこまで感染者を抑えられるか、さらにロックダウンが延長されて人々の生活が立ち行かなくなることを危惧しています。