インターン企画・この人にインタビュー!
シャプラニールのインターン生が国際協力や社会問題に興味のある若者への対話を通じ、お互いの活動への理解を深めながら国際協力のあり方や多様な関わり方などについてお伝えします。
今回は、インターン企画として学生国際協力団体SIVIO関東支部の代表・末田さんにお話を伺いました。団体のビジョンやコロナ禍での活動、今後の目標について語っていただきました。
「人と協力することは大切」
学生国際協力団体SIVIO関東支部代表・末田さん
団体概要
Q.まず、SIVIOについてお聞きしたいと思います。普段はどのような活動をされているのですか。
関東SIVIOは全国に3支部あり、現在190名が所属する、ラオス教育支援を行う学生国際協力団体の関東支部です。2007年に設立され、今年で14年目を迎える団体です。活動内容としてはチャリティイベントやオンラインイベントを行いながら、ラオスで学校や図書館を建てています。また、ソフト面の活動として、ゴミ拾いプロジェクトや歯磨きプロジェクトなど、ラオスの子どもたちの教育への意識を活性化する目的の支援を行っています。
さらに、年に2回、3支部ミーティングを行い、ラオスのどこになにを支援するのかを話し合ったり、地域の小学校や児童館でラオスや自分たちの活動二関する授業を行い、広報活動をしています。現在は現地調査を行うことができないため、オンラインで現地の子どもたちと交流をしています。
Q.チャリティイベントについて詳しく聞かせてください。
参加者は、学生を中心とした学生が多いです、参加者には運動会やサッカー大会などの「楽しさ」を提供し、いただいた収益は全てラオスへの支援金に当てています。
※この記事の最後に10月30日の開催されるオンラインチャリティイベントの詳細を記載しております。
Q.どのようにしてメンバーが集まってくるのですか?
大学3年生は、COVID-19前に入団した人が多く、大学での繋がりをきっかけに入団した人が多くいます。対して大学1・2年生は、最初から強い目的意識を持って入団したメンバーがかなり多いです。COVID-19禍だったこともあり、SNSなどを用いて自ら情報収集・比較検討し、入団してきたメンバーがほとんどです。
現地調査の様子
現在の活動について
Q.COVID-19によってどんな影響を受けましたか?
マイナスな影響として、まずコミュニケーションが取りにくくなったことがあります。対面であれば、隣の人と気軽に意見を交わすことなどができますが、それがオンラインでは多少難しくなりました。また東海・関西支部と直接会うことができず、直接的な繋がりが薄くなってしまったことが残念です。
逆にプラスに働いた面もあります。それは団体を一度見直すことができたことです。14年前に作られた理念をもう一度見つめ直し、新たにビジョンを作成しました。(自分たちの活動が)子どもたちの自立を目的とするということを言いたくて、「ラオスの子どもたちが主体となって未来を創り上げる社会」をビジョンとして設定しました。
物資的支援としての「教育環境の質」と意識的支援としての「社会全体に対する意識」という2つの軸をラオスの人々と共に向上させていけたらいいなと思っています。このように、支援の方向性などを考える時間などを作れたことは、団体としてとてもいい機会でした。
今後のSIVIOの課題
Q.今後SIVIOの課題などはありますか?
支援を終えた村など、資料をしっかりと現在の構成のメンバーでも見れるよう、体制を整えていきたいと思います。14年前の支援が今どうなっているのかや、過去の支援がどのような影響を及ぼしているのかなど、「経験」と「反省」「改善」を大切にしていきたいです。
Q.この先、ラオスとはどのように関わっていきたいと考えていますか?
「現地の学生と、ラオスとともに。」を大切に、今後はもっとラオスの人たちを巻き込んで活動していきたいです。現在はラオス国立大学の学生と継続的な交流を持てるよう、調整を行っています。実際に今年、オンラインにてラオス国立大学との交流会や日本大学での企画講義「ラオス学」の開講など、新たな一歩試みをしています。
ラオス国立大学×サワンナケート大学×SIVIO交流会
関東SIVIOが企画立案した講義であり、大学の正式なカリキュラムとしても認定された「ラオス学」は、ラオスについて理解を深め、支援の質を高めるために元ラオス大使を始めとするラオスの専門家のお話を15回聴き、SIVIOのメンバーには自分がオープンチャットで要約を書いて共有しています。政治・文化・歴史などのいろんな分野から講義を行ってもらうのですが、特に(自分たちの支援に対する)厳しい意見をあえて議題として扱い、話し合いを行っています。
オンラインスタディツアー「手話プロジェクト」の様子
国際協力に携わる意義
Q.末田さんにとって、「国際協力」をする意義とは?
「視野が広がる」
日本とラオスでは物質的な余裕など環境がかなり違います。知らない世界を知ることで、相手の価値観を尊重できるようになる感じています。
「人と協力することは大切」
当たり前のことですが、多くの人と関わり作業をする中でそれを本当の意味で理解できるようになったと思います。
キャリアについて
Q.SIVIOメンバーは卒業後、どのようなキャリアに進む人が多いですか?
NGOなどで活躍する人もいますが、多くが民間企業に就職します。様々な大学、専攻のメンバーだからこそ、キャリアも多様ですね。
Q.もしよろしければ末田さんのキャリアプランをお伺いしてもよろしいでしょうか?
はい。将来は、国際協力の中でもODAなどの根本的なシステムに携われるような仕事がしたいです。日本が、自立を促す支援やしっかりとビジョンを持った支援などをできるようになって欲しいと思っています。そのため、まずは大学院で学びを深めたいと考えています。
ーインターン生の感想ー
時代や現地、支援ニーズに合わせて団体を変えていくことは、日々状況の変化する国際協力の世界で必要なことだけれども、とても大変なことで、それを実行していることはすごいと思いました。自分達目線ではなく、現地目線で考えているからこそできることだと思います。私もそれを忘れないよう、意識していきたいです。今後のSIVIOの活動が楽しみです。(岡)
コロナ禍での活動をお聞きする中で、国際協力に携わる学生団体として、従来の取り組みを見直しながら真摯に問題と向き合うことで、今できる支援の在り方を探る姿勢に感銘を受けました。また、今後のキャリアを見据え、その実現のために必要なことを行う計画性と新たなことにチャレンジしていく行動力を見習いたいと思いました。(井上)
<関東SIVIO主催イベント>
10月に関東SIVIO主催、有料のオンラインチャリティーイベント「謎解き脱出ゲーム」を開催されます。興味のある方は、ぜひ関東SIVIOさんの公式SNSやホームページでチェックしてみてください。
【日時】10/30(土)
1部 17時〜18時30分/2部 19時30分~21時
【場所】オンライン(zoom)
【参加費】500円
【申込】
一部(45名)https://siviolaotrip1.peatix.com/view
二部(45名)https://siviolaotrip2.peatix.com/view
関東SIVIO公式アカウント
<twitter> https://twitter.com/kanto_sivio?s=20
<instagram>https://www.instagram.com/kanto_sivio/