シャプラニールは、2006年よりバングラデシュで家事使用人として働く少女への支援活動、そして児童労働のない社会をめざした働きかけを続けています。2024年には少女たちの学びの場となり、安心して過ごせる支援センター(※)を開設しています。
※働く少女に読み書き・計算の教育や技術研修、レクリエーション等を行っている施設。

現在、首都ダッカ市内には2カ所の支援センターがあり、9歳から17歳の少女が約30名通っています。センター運営は、バングラデシュのパートナーNGOのASD(Action for Social Development)が担っています。

センターの先生と楽しく話をする様子の少女たち

センターは異なる地域にあり、一つはパイクパラ地区に、もう一つは公務員住宅エリアもあるアジンプール地区に位置します。公務員はバングラデシュの中でも安定した仕事の一つで、中流以上の生活をしている世帯が中心。住み込みで料理や洗濯などを担う「家事使用人」を雇うことが日本よりも一般的で、少女を雇用している家庭も多いといわれています。

少女のほとんどは地方からダッカに移り住んできています。出身地は南部のボラ島やボリシャル、北部のマイメンシン、東部のノアカリなど。センターに通い始めて、初めて同世代の友達ができたという少女もいます。

少女たちは、働く合間の午後3時からら5時までの2時間に支援センターへ通っています。雇い主からの許可をもらい、読み書きや計算などの授業を受けたり、音楽などのレクリエーションを同年代の少女たちと楽しんだりする時間を過ごしています。

例えば、自分の名前と住所をベンガル語で書く授業では、「住所が必要になるのはどんなとき?」という先生からの問いかけに対して、「学校に入るとき」「迷子になったとき」「契約をするとき」と少女たちは具体的な答えをあげます。自分の文字で名前や住所を書くことも、大切な自己決定の一つ。この先の将来においても、自分で物事を決められることに繋がっていきます。

本来アジンプール地区のセンターは、公務員向けの集合住宅内の自治会の建物で開設すべく準備をしていましたが、8月の政変の影響を受け公務員の立場もゆらいでおり、雇い主も外とのかかわりに慎重になっています。それでも
自治会や学校との繋がりを徐々に強め、地域全体で少女たちを支え、子どもの権利についての理解を広げるべく活動を続けていきます。

2025年度は少女たちの送り出し元となっている農村部での調査の結果を分析しながら、都市部のみではなく送り出し地域での働きかけに向けた取り組みも進めていく予定です。

本記事は会報2024年度3月号に掲載されました


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