ネパール・モラン郡で2023年度に開始した「水害に強いコミュニティづくり」。予定していた2年目の活動をすべて終えることができました。2024年11月には中間評価を実施して、これまでの事業の進捗や成果を確認し、残りの1年間で重点的に取り組む必要があることを分析しました。
この事業では洪水防災の活動だけではなく、資源でもある水を乾期の間も安定して使えるように水路を整備する活動なども行っています。水路を利用する農家さんを中心に結成した組合が「自分たちの」水路を責任を持って管理しています。ある集落の組合長さんはお米を年に2回、他にトウモロコシやマスタードを栽培しており、水路ができたことで田んぼに水をこれまでよりも入れられるようになって稲がしっかり根付いたと話してくれました。

災害だけに着目すると、水は洪水を引き起こすおそろしいものですが、それでも地域の人たちは川のそばで水とともに暮らしてきたのだなと直接話を聞いて改めて感じました。特に農業は環境の変化による影響を受けやすいので、洪水だけでなく水不足を防ぐ活動をすることで人びとの暮らしが安定していくよう、最終年も取り組みを続けていきます。
ネパール事務所長 横田 好美
