久しぶりに訪問したACP(Association of Craft Producers)は一見以前と同じ明るさがありました。スタッフが忙しく歩き回り、建物の中庭では女性たちがパッキングに励んでいました。

それでも改めて代表のミーラさんやスタッフの方々と話を聞くと、地震の影響の深刻さが伝わってきました。生産者自身が亡くなったケースは奇跡的になかったものの、約200人の生産者の家が全壊か損壊しており、親戚や家族の誰かを亡くしたというケースは多くあるそうです。

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また、ニット生産者の半分がカトマンズは危険だと考えて故郷の村へ帰ってしまったり、建物の中に入るのが怖いからといった理由だったりで仕事に戻れない生産者も多くいます。確かにACPの建物にはひび割れが何カ所か見つかっており、また大きな余震が来たらと考えると不安になるのでしょう。

そのため、ACPではこれまで3回、エンジニアに来てもらってACPの建物の検査をしてもらい、中に入っても大丈夫とのお墨付きをもらって、それを生産者に伝えることで仕事に復帰してもらえるよう努力しているとのことです。言葉だけで大丈夫だよ、と伝えるだけでなく、専門家による客観的な裏付けをもとに納得して職場に戻ってもらうようにしていることに、なるほどと思いました。ミーラさんの「みんなちょっと時間があればすぐに地震の話題になって暗くしまう。でも、もっとみんなに自信を持ってほしいの」という言葉は、今のネパール社会全体にかけられたものなのでしょう。


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