クラフトリンクのパートナー団体の
ネパールの [ WSDO(Women’s Skills Development Organization Pokhara) ] というNGOがあります。
観光都市としても有名な “ポカラ” を拠点に、ここでは山間部に古くから伝わる 「地機(じばた)織」という手法で、
一枚いちまい丁寧に織られた布の手工芸品を作り、厳しい状況にある女性たちの 生活向上を目指しています。
クラフトリンクでも人気のある「手織布の小銭入れ」も、ここで作られています。
この [ WSDO ] がある”ポカラ”は、首都のカトマンズから西に約200km離れたネパール第二の都市で、
「ヒマラヤの宝石」とも呼ばれる程の、多くの自然が広がっています。
標高は首都カトマンズより低いため、冬でも最低気温は摂氏6℃程、
夏の最高気温は摂氏30℃~32℃までと、年間を通して比較的過ごしやすい気候となっています。
“ポカラ” は今年4月に起きたネパール大地震の震源地に近かったものの、幸い大きな被害はなく、
[ WSDO ] の生産者は全員無事で、工房にも被害はありませんでした。
“ポカラ” には、雄大なヒマラヤを背景に3つの湖、ぺワ湖、ルパ湖、ベグナス湖が広がっています。
ボートや釣り、ラフティング、バードウォッチング、マウンテンバイクなどの他、
近年ではパラグライディング、エンジンつきグライダーのようなスポーツも盛んです。
また、ネパールは世界で最も景観のすばらしいトレッキングコースとして、トレッカーに有名です。
“ポカラ” はその玄関口として、世界中から多くのトレッカーが集まります。
ハイキングのような短くて簡単なものから、雪の覆われた高峰にアタックするといったハードなものまで
一年中、様々なコースを満喫できるのです。
初心者にも気軽に楽しめるトレッキングコース上で、そこに暮らす人々の様子を伺う事ができます。
何十kgとある重たい石材を布で吊るし、それを額で支えながら運ぶ若い男の子の姿、
引き締まった足首で山道を登っていく素足の年配女性。
向かいからは、首に鐘のついたロバが接近の合図を知らせ、
続いて荷物を運ぶたくさんのロバが通り過ぎていきます。
旅行者にとってのトレッキングコースは、そのまま山に暮らすネパール人の
生活の道でもあるのです。
“ポカラ” の雄大な大自然がアウトドア愛好家を魅了してやまない一方で、
そこに暮らす人々にとっては、山間部ゆえなかなか仕事がなく、
男性の多くは首都カトマンズや国外へ出稼ぎに行ってしまう現状があります。
そんな中、伝統の地機織りが、残された女性の生活を支えてきました。
地震の影響で、観光産業が落ち込んだネパールですが、
その全土に被害を受けたわけではありません。
“ポカラ” の美しい大自然と、温厚で逞しいネパール人に触れる休暇の過ごし方も
また、復興に向けた支援に繋がるのかも知れません。
インターン 赤尾