SDGsの目標4には、「すべての人々に包摂的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する」とあります。

バングラデシュの政府発表では、小学1年生への就学率は97.74%(2020年)となっていますが、実際には地域や民族などによってはその割合は低く、すべての子どもたちが教育を受けられていなかったり、入学したとしても途中で辞めてしまう子どもたちがいます。

バングラデシュには、川の中洲に位置した地域であるために、先生が来ない・定着しないなど慢性的な教師不足の地域があります。数少ない先生たちでは、すべての子どもたちの状況を把握することができません。勉強についていけない子は、勉強への興味をなくしてしまい、行くのをやめてしまったり、進級試験に落ちてしまって学校を辞めてしまう子たちがいます。その親も教育の大切さを十分理解できていないために、学校に行かせずに働きに出してしまうケースもあります。

学校の先生たちとのミーティング

シャプラニールでは、このような状況にある地域において、学校は楽しい場所であることを知ってもらい、子どもたちに学校に行きたいと思ってもらえる環境づくり、そして先生や親、地域の大人たち、さらに地域行政との話し合いを通じて、学齢期の子どもたちはみんな学校に行くという「あたりまえ」を、地域みんなでつくっていくことを目指して活動を行っていきます。

家の軒先などを借りて行っている教室

先日、ある一つの学校の校庭で、地域にある9つの学校が集まるイベントを行いました。この地域の学校では、運動会や文化祭のようなものも行われていなかったため、この日はステージや大きなスピーカーを見て、みんな大騒ぎ。政治集会など大人の集まりはあっても、自分たち子どもが中心であるイベントは経験がありません。
学校別のブースでは自分たちの学校や活動について紹介、ステージでは詩の朗読や歌や踊り、絵のコンテストなどを行い、表彰を行いました。

学校では、勉強はもちろんですが、友だちと遊んだり、人との関りを学んだりする場所でもあります。子どもたちにとって学校が楽しい場所となることで、勉強をすることや学校に行くことへのモチベーションアップにつながると考えます。そして子どもたちの楽しい表情を見た地域の大人たちが、教育が重要であることを認識してくれることを期待してます。

バングラデシュ事務所長 / 内山智子

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