さて、ダイエーユニオンツアー後半戦です。

■5日目
今日はツアーの目玉のひとつ、ツアーメンバーの皆さんによる「ジュートバッグプリント体験」です。場所はダッカ市から少し北へ向かった「トゥンギ」というところ。ジャマルプールには片道6時間ほどかかりましたが、トゥンギへは片道1時間程度の道のりです。
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訪バしていきなり長時間の移動が続きましたし、そろそろ皆さん疲れが溜まってくる頃ですから昨日の昼はNando’s(鶏肉料理)、夜はピザハット(ピザとパスタでデザート付き)にしてリフレッシュして頂きました。
しかし「きっと皆さん絶好調でしょう」と思ってホテルへお迎えに行くと、なぜか半数ほど沈痛な面持ちをされています。まさか病気!?
私 「あのお、皆さんどうされたのでしょう・・・?(おそるおそる)」
団長 「それが半数ほど下痢になってまして・・・」 
私 「ええ?だって昨日は余裕のある行程だったしお腹こわすような食事もなかったですよ?」
団長 「ああいう食事で緊張が緩んだのかしら・・・デザートもあってテンション高すぎだったし」
むー。皆さんの体調に気を遣ったつもりがまさかの裏目?アテンドってむつかしい…。ともあれ、腹具合の不安な皆さんを乗せてバスはトゥンギへ。この日がジャマルプール行きでなくて本当によかった・・・。生産センターの外観はこんな感じ。
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正面の建物に生産ラインがあり、右側が倉庫になっています。倉庫には原材料であるジュート素材がうず高く積み上げられていました。
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ひと通り生産現場を見学した後はプリント体験へ。予め縫製しておいてもらったジュートバッグにプリントを施していきます。まずはジュートワークスのスタッフにお手本を見せてもらいましょう。
無地のバッグの上にプリント原版を載せて・・・
プリント原版にハケと塗料を載せて・・・
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原版の面に沿って上から下へ3回ほどハケで均等に塗りつけていくと・・・
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この通り。原版の赤地の部分は色を通さず白抜きの部分のみ通すようになっているため、全体に塗りつけると模様が出る仕組みです。デザインはダイエーユニオンのオリジナルです。
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それでは本番行ってみましょう。意外と力をかける必要があります。
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(スタッフ)「押し付け方が弱いですよー、もっと力を入れてくださーい」
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プリントしながら記念撮影。でもムラになるから手は止められません。
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こういう感じで14名の皆さんそれぞれにプリントしていただきました。なかなかキレイな仕上がりです。
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塗料の乾燥を待つ間、縫製ラインを見学して一休み。椅子がなかったので、朝からお腹がぐるぐるだった人たちは床にジュートのシートを敷いてもらって休憩。人呼んで「下痢ラーズ」。
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ご本人たちの名誉に配慮して目隠しを入れさせて頂きました。最後は生産者の女性たちから仕上がったバッグを手渡し。そのままお土産としてお持ち帰り頂きます。
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このあとはグルシャンにあるジュートワークスのオフィスへ移動して団体についての説明を受けます。
Aarongはバングラ国内販売が8~9割を占めますが、ジュートワークスは9割が輸出向け。組織としての在り方も、AarongがSocial Enterpriseとしてビジネス的に事業展開しているのに対し、ジュートワークスは「Movement」つまり「社会的な運動」として事業を行っています。従って利益の使途にも自ずと違いがでてくる訳ですが、このあたりの事情をいわゆる「ソーシャル・ビジネス」の文脈から考えてみるとなかなか面白いものがあります。
ジュートワークスでの昼食(この料理が一番美味しかった!という声が多数)を終えると、ファームゲート近くのJagaroni(ジャガロニ)センターへ。ここは障がいを持つ女性に対する就業支援のための生産現場であると同時に、ジュートワークス唯一のバングラ国内販売向けショールームが併設されています。
写真が無くて恐縮ですが、ここには1968年からバングラで障がいを持つ女性や独立戦争で夫を亡くした女性たちへの支援活動を行ってこられた「シスター・リリアン」という方がいらっしゃいます(ジュートワークスはキリスト教系の団体から派生)。ここではシスターから草創期の活動がどのようであったか直接お話を伺いました。
文字通りゼロから始められたという当時のご苦労は、想像を絶するものであったと思われます。しかもその苦境にめげず、40年以上も活動を継続して来られている訳ですから、何というかもう頭が上がりません。お会いする度、穏和なシスターから人格的迫力のようなものを感じている自分がいます。
■6日目~最終日
ツアーもいよいよ終盤。残されたミッションは市内観光と買い物です。この日は金曜日で昼からイスラム教の礼拝が始まるため、お邪魔にならないよう早めにスターモスクへ。たまたま居合わせた少年に礼拝の仕方を教えてもらい、カーゾンホールへ向かいます。
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とにかく暑っつい!このあとショヒッドミラールに行ったのですが、大勢の大学生が「報道の自由」を訴える集会を行っていました。呑気に記念撮影する雰囲気でもなかったので空気を読んで早々に退散。そのあとはヒンドゥー教のダケシュワリ寺院へ。
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入ってみるとひっきりなしに鐘の音がなっているし人も多い。訊ねてみたところたまたまこの日はプジャでした。プジャを日本語にするのは難しいのですが、ヒンドゥー教の「祭祀」とか「祭礼」とでも言うべきでしょうか。「祈り」という意味もあるようです。
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ツアーメンバーの皆さんにとっては良いタイミングでしたね。昼ごはんはグルシャンのBamboo Shootで中華料理です。そのままAgora(スーパーマーケット)→Aarong→JATRAと買い物ツアー突入。Aarongは初日にも行ったのですが、「実際に生産現場を見たらもう一回ちゃんと見に行きたくなった」というリクエストが多かったので改めて行くことになりました。買い物のシメはクラフトショップのJATRAで。
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JATRAではたまたま来ていたバンドの生演奏を聴くことができました。中央の太鼓は「Dhol(ドール)」、右の鍵盤のある楽器は「Harmonium(ハルモニウム)」といいます。それにしてもこのツアーは行く先々で何かに出くわすことが多いな。JATRAでは彼らのCDを販売していたので迷わず購入。ミーハーを承知でサインしてもらいました。
買い物ツアーを終えるとそろそろ夕食。村での滞在が短かったこともあり、「カレーを食べ足りない」というリクエストにお応えして、フェアウェルディナーはベンガル料理を堪能して頂きます。せっかくなのでデザートにバングラのヨーグルト「Doi(ドイ)」も食して頂きました。「このドイで再び下痢ラーズが増えたらどうしよう」と若干不安でしたが、幸い大丈夫だったようです。
そして翌日は帰国の日。お土産でぱっつんぱっつんのスーツケースをバスに積み込み、いざ空港へ。本当に一週間なんてあっと言う間ですね。それにしても全員無事に見送ることができて一安心です。
ダイエーユニオンの皆さん、是非日本で見聞されたことを沢山のひとに伝えてくださいね。そして数年後にまたバングラの変化を見に来てください。第二陣、お待ちしてます!