夏休みシーズンですね。そのため今月は、3つのツアーの受入をしています。そのひとつ、8月8~15日、シャプラニールの会員ツアーがありました。参加メンバーは14人。そのうち10人が学生、学校の先生が2名、企業を退職した人が2名というメンバー。
いつもツアーが訪問すると、どんな暮らしをしているのか、活動によってどんな気持ちの変化があったのか、日本人からバングラデシュの人たちに質問攻めです。
でもみんなきちんと答えてくれます。そしてあたたかい歓迎をしてくれます。そのやさしさにみんな心を癒され、「豊かさ」について考えるきっかけにもなります。でも何かもうひとつ、加えたい。そう思っていました。
今までのツアーはいくつかの活動を細切れに見てもらう内容が多かったと思います。今回のツアーのテーマは「少女と出会う旅」。テーマにあわせて少女たちと過ごす時間を長くして、ひとりひとりの名前を覚えて交流する時間を作りたい。そこから「バングラデシュ」という大きなかたまりではなく、「○○ちゃん」という個人とのつながりをつくってもらいたい、と思って準備をしました。
午前中のプログラムは、少女グループによる村案内です。
ツアー訪問の半月前、少女たちに「みんなで相談して、自分たちの村の中で日本のみんなに紹介したいところに案内して」とそれだけ伝え、2時間の内容を彼女たち自身に考えてもらっていました。果たしてどんなところを紹介してくれるのか、とても楽しみでした。
私が一緒に回ったグループは、日本人一人にひとりずつペアになって、手をつないで村を案内してくれました。最初に連れて行ってくれたのは、その村でみんなが尊敬する人のお墓でもある聖者廊。この方は10年生まで学校に通い、その後たくさんの本を読んでイスラム教の教えを村人に伝え続けた方で、村人みんなに尊敬されていました。4年前に亡くなり、その人が住んでいた家と横にあるお墓はいつもきれいに手入れがされており、毎週村の人はここに来てお祈りをささげ、歌や踊りもするとのことでした。
その後連れて行ってくれたのは、「村の中で綺麗なところに連れて行きたい」と村の中にある山(というか低い丘)、たくさんの木に囲まれた広場に連れて行ってくれました。その草の上にみんなで座って、風を感じながら歌を歌いました。
午後はこのメンバーが毎週集まっているミーティングでどのようなことをしているのか見せてもらいました。
翌日の午後は、このメンバーに対して日本の参加メンバーから「日本紹介」をしてもらいました。参加者からは、日本の四季、大学生の1日の2つについて紹介してくれました。
少女グループのみんなは、教科書やテレビで少し日本について聞いたことがあったものの、日本の様子を絵や写真で見せてもらい、楽しい時間を過ごしてくれたようでした。
その後はみんなで歌や踊りを披露し、最後には全員でバングラデシュの歌を大合唱しました(前日の夜、みんなでカタカナでベンガル語を書いて覚えたんですよ)。
最終日、参加者たちがどんなことを感じたのか、発表してもらいました。
何人かのコメントを紹介します。
「少女たちのやさしさや気遣いがうれしかった」
「人と人とのつながりの深さを感じた」
「少女たちの学ぶ意欲と自信に満ち溢れた表情に驚いた」
「ゆっくりと時間をかけて変わっていく、それが次の世代につながっていく」
「ここでの活動は、人の心を育てている」
案内してくれた少女たち、そして参加費を払って活動を見に来てくれた会員のみなさん、ありがとうございました。私自身とても楽しめたツアーとなりました。