昨日から一泊二日で北部のガイバンダに出張に行って帰ってきました。いやー、朝晩寒かったです。こんな小さな平坦な国でも、けっこう気候の差はあるものですね。バングラデシュに来て初めて車のヒーターを使いました。さて、この2日の国内の動きはというと…
11日の非常事態宣言から今日で3日。12日に選挙管内閣のチーフ・アドバイザーが任命されたのに続き、昨日13日には5人のアドバイザーが任命されました。しかし、彼らに渡された任命書には任期が全然書いてなかったそうで、選挙がいつになるかは今もってまったく不明です。残りのアドバイザーも明日にはたぶん任命されるのではないかと思われます。
チーフ・アドバイザーのファクルウッディン・アフメッド氏は国際的にも認知された評判のよい人・かつ中立的な人みたいで、今のところ文句は聞こえてきません。しかし最初にこの新選挙管理内閣のチーフ・アドバイザーの職を打診されたのは、グラミン銀行創設者のモハマド・ユヌス氏だったらしい。でも彼は断ったのだそうです。そうされて正解でしょう。
今回の突然の非常事態宣言、よくわからないことがたくさんあり、まだ謎に包まれています。NGOの運命も政治の動きに大きく左右されるので、バングラデシュNGO関係者も固唾を飲んで政局を見守っているわけなのですが、彼ら・彼女らも、あーじゃないか、いやこーいうことじゃないか、といろいろな憶測を述べ合っています。
謎その1:大統領の演説の草案は誰が書いたのか?
突然の非常事態宣言に伴うテレビ演説で、大統領はこれまで言っていたこととまったく矛盾するような発言をいくつもしました。選挙は1月22日に実行されなければならない、公正で平和的な選挙は可能だと言っていたのに、今度は投票者名簿を訂正しない限り投票は不可能、90日以内には無理だと。この非常事態宣言の内容、BNPとジャマテ・イスラミの関係者はまったく寝耳に水だったらしく、相当泡を食っていた様子。反対にアワミ連盟はシェイク・ハシナの態度や発言から、これを事前に知っていたのではないか?という憶測を述べる人もあり。大統領演説の内容は、どう考えても本人が書いたんじゃない、と言う人多し。では誰が書いたんだろう?
謎その2:軍の関与
今回の急展開にどこまで軍が関わっているのか?表に出てこないだけによくわからないのですが、今日のニュースによると、アワミ連盟の幹事長、アブドゥル・ジョリルが14党連合を代表して発表した声明に、「選挙管理内閣の改編を促し、一方的な1月22日の選挙実施から国を救った軍の役割を高く評価する」と書かれていたというのです。やっぱり黒幕は軍なのか?
謎その3:国際的な動きの影響
アメリカ、イギリス、EU、日本などドナー国がかけたプレッシャーはどれぐらい影響したのか。影響はあったに決まっているものの、非常事態宣言が出るまでの動きに実際どれぐらい関係があったんだろう?国連総長の発言の影響は?
今のところ非常事態宣言といっても、夜間外出禁止令も解かれたし、一般人にはそれほど不都合はないのですが、近々布告予定で今準備されているという非常事態法には、政党の政治活動の禁止と共にメディアの検閲も入ってきそうだという話。集会や言論の自由が制限されることにならないといいのですが…。
よくわからないことだらけで情報が錯綜しているので、このブログに私が書いていることも、頭から鵜呑みにしないでくださいね。あくまで参考情報ということで。