今冬は日本でも相当の寒さに見舞われているようですが、ここバングラデシュにも寒波が襲来しました。当会のホームページ(https://www.shaplaneer.org/images/support/coldwave.html)にも記載がありますが、死者は既に50名を超え、現在も厳しい寒さに震えている人が大勢います。

最低気温は4℃台、ここ30年で過去2番目に低い記録です。こう申し上げると、このように思われる方もあるかもしれません。
「え?4℃で死んじゃうの?日本は今氷点下だよ?」
もっともなご意見です。日本の厳しい冬の寒さを考えると、非常に想像しづらいと思います。しかし日本の一般的な家庭の「寒い」とバングラデシュ農村の家庭における「寒い」は少々事情が異なります。バングラデシュの家々は基本的に暑い夏をいかに涼しく過ごすか、という発想で建てられており、冬場の寒さは相当堪えるんです。暖房器具はないのかというと「ない」というのが答えになるでしょう。
いや、正しく言うと商品としては存在します。しかし電気や石油ヒーターなどは燃料費の負担が大きく、貧しい家庭では到底使うことができません。またそもそも電力事情が悪く、地方によっては電力インフラが存在しない地域もあります。さらに山がなく、木も少ないため燃料になり得る薪などを簡単に調達することもできません。煮炊きには牛の糞を乾燥させたものを使いますが、とても暖をとるために使えるほどの量はありません。
従って毛布を買うお金がない貧しい人たちに残された唯一の方法は、限られた服や布地をあるだけ身体に巻き、寄り添って眠ることだけ。そのため気温が下がると、4℃台でも生命を落としてしまうのです。
「命にかかわる問題」。それが今のバングラデシュの、特に農村における寒さの意味です。先日(1月18~21日)寒波の緊急救援のためにガイバンダ県を訪れた際、そのことを実感しました。朝晩は息が真っ白。とにかく寒い!指がかじかんでうまく食べることもできません。
緊急救援を行ったガイバンダ県というのはダッカの北北西に位置しています(ピンの部分)。
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車で片道8時間。なので往復の移動に2日。現地ではUSSという団体と協働し、毛布1000枚と子供用帽子の配布を2日。計4日の行程です。現地には日が暮れる頃に到着、夜にかけて翌日からの作業打合せを実施。翌朝から2チームに分かれて7か所で配布を行いました。
農村に暮らす人たちで裕福な生活をしている人はそれほど多くはありませんが、すべての人に配布するなど到底不可能。従ってチョール(中洲)に住む特に経済的に貧しい人たちや高齢の方、小さな赤ちゃんのいる女性などを中心に配布します。
現地では配布予定時間前から待っている人たちがいました。女性たちが身にまとっているのは冬に洗濯してもしばらく干せば乾くような薄い布地。寒そうです。
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順番を待つ女性たち。
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小さな赤ちゃんを抱えた女性。なけなしの毛布は赤ちゃんのために使っています。
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押し戴くように毛布を受け取るおばあちゃん。
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毛布を受け取って嬉しそうな笑顔のお母さん。
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子どもたちは受け取った帽子をかぶって勉学に励みます。
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チョールでは配布場所まで砂地の上をはるばる歩いてやって来なければならず、受け取るのも一苦労です。沢山の場所で配布できれば良いのですが人員、輸送手段、共にとても間に合いません。
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このように配布を行いましたが、実際のところ需要に間に合う量ではありません。現在も緊急救援募金を募っておりますので、よろしければご寄付のほど、お願いもうしあげます。
【ご寄付はこちらから】
バングラデシュ寒波被災者への救援活動: https://www.shaplaneer.org/images/support/coldwave.html
【緊急救援活動現場の動画はこちらから】
2011寒波緊急救援①: http://www.youtube.com/watch?v=oTvJ27Bth6U
2011寒波緊急救援②: http://www.youtube.com/watch?v=QAex0GcR4D0