大きなサイクロンがバングラデシュ南部沿岸地域に接近しています。バングラデシュには気象上の危険を知らせる10段階のシグナル(10が最強)があるのですが、モングラ港できのうは4だったシグナルが、今日は10に上がりました。コックス・バザール、チッタゴン付近で9。めったに出ない最大級の危険シグナルです。

今日の昼ごろまでには沿岸部が直撃を受けるとみられており、昨日から沿岸部の住民にはラウンドスピーカーなどで避難を促す呼びかけがされ、多くの人々がサイクロンシェルターなど安全な場所に避難しています。沿岸部では暴風が吹いており、チッタゴンの空港も今朝になって一時閉鎖。ダッカでも空はどんよりと暗く、朝から断続的に雨が降り、不気味な感じの風が吹いています。

ところで当地の英字新聞には「ハリケーン接近」と書かれているものと、「サイクロン接近」という表現が両方見られるのですが、インド洋付近で発生したやつはサイクロンと呼ぶんじゃなかったっけ?ウェブでちょっと調べてみても、いまいちハリケーンとサイクロンの違いがよくわかりません。

1991年に巨大サイクロンが南部沿岸地域を直撃した際は、14万人が命を落とす大災害となりました。あれから16年、いくつものサイクロンシェルターが作られ、事前に危険を知らせ避難を呼びかけるシステムもかなり改善されたはずなので、かつてのように多くの人が命を落とすことはないはずですが、それでも直撃となると大きな被害が予想され、心配です。

バングラデシュでは季節の変わり目にあたる3月、11月ごろがサイクロン被害の多い時期です。船が転覆したりすることも多いので、この季節の南部への船旅はとくに要注意。

今年は二度の洪水、サイクロン来襲、と自然災害の当たり年になってしまいました。被害が最小限に食い止められることを祈ります。