すっかりブログをご無沙汰してしまいました。1月から2月にかけては、各パートナー団体と次年度の活動について計画や予算を詰めていく1年で一番忙しい時期なんですが、この1ヶ月ほどは、それにサイクロン復興支援の検討やインド出張なども重なった結果、2週間続けて働いて1日休み、また2週間ぶっ続けで仕事する、というペースでした。今週末は久々の休みでやや脱力気味です…。

さて、インド出張というのは1月末から1週間ほどコルカタへ行っていたのですが、今回なんじゃこりゃ、と思ったのは、コルカタの人々がやたらとお札にうるさくなっていたこと。端がほんの5mm程度切れた500ルピー札が、ゲストハウスでもレストランでも受け取ってもらえません。500ルピー札や1000ルピー札の高額紙幣ならまだわかりますが、真ん中に折れ目がついてそこが少し黒ずんだ20ルピー札さえ、タクシー運転手に拒否される。これはいったいなんなんでしょう。いつからこうなったの??

私がニューデリーに住んでいた98年から2001年ごろは、こんなじゃなかった、という記憶があります。その頃、1000ルピー札は発行されたばかりでほとんど出回っておらず、500ルピー札は「大きすぎて使いにくいから」という別な理由で拒否されることがよくありました。100ルピー札は、ガンジーの絵柄の新札と、アショカ王の獅子柱頭の絵柄の旧札がほぼ半々ぐらいに出回っていて、銀行でお金を下ろすと、新札の場合は紙の帯で束ねられた札束が出てきたけれど、旧札の場合は大きなホチキス2つぐらいでガチガチに留められていて、それを外すのにとても骨が折れ、札束の真ん中からお札を2つに分けて持って力づくで引き剥がさなければならず、その結果100ルピーの旧札の透かしのあたりにはたいてい大穴があいていたものです。お札に数字などがメモされていることも多く、「大事なお金なのにいったいなんちゅう扱いをする人たちだろう」と思っていたものです。

しかし、今やインドの人々は、高額小額にかかわらず受け取ったお金を1枚1枚舐めるようにチェックし、高額紙幣は必ず目の前にかざしてニセ札でないか確認し、わずかでも端が欠けたり汚れたりしていたら受け取らない。そういうお札が自分のところへ来るのを避けようと、相手に押し付け合う様はまるでババ抜き。これも経済成長と関係があるのかしら。でもちょっと極端すぎないか?

バングラデシュに帰ってきたら、使い込まれて煮しめたようになり、絵柄も判然としない2ルピー札が立派に通用していて、ちょっとほっとしました。