農村では乾期の灌漑稲作で作られるボロと呼ばれる稲の収穫の季節が終わりに近づいています。最近のバングラデシュでこの季節作られている米はほとんどがハイブリッドの高収量品種で、BR(Bangladesh Rice)28番、もしくは29番という種類の稲。在来種は少なくなる一方です。田植え、収穫ともやや早めのBR28番はすでに稲刈りが終了し、29番の稲刈りが今週山場を迎えていました。村人たちは稲を刈って束ねたり、脱穀したり、脱穀した籾を広げて日に干したり、脱穀したあとの藁を乾かして積み上げたり、という作業に大忙し。そんな村の様子の写真を何枚かご紹介します。いずれも今週マイメンシン県イショルゴンジ郡で撮影したもの。
刈り取りを待つ稲
稲を刈る人たち
作業の手を休めてポーズ
女性たちも籾を乾かす作業に忙しい
子どもたちもお手伝い
今年はこの10年で一番の豊作とあって、村人たちの笑顔も明るく、稲束を担ぐ人々は嬉しそう。私たちが話を聞いた人たちも、これでなんとか数ヶ月は食べられそうだ、と安堵の表情を浮かべていました。
自分の田を持たない人たちも、今は稲刈りの仕事で現金収入があり、少し余裕がもてる時期です。イショルゴンジ郡の稲刈り労働の今年の相場は、三食つきで一日150タカ。悪くない金額です。もっとも最近は、日雇いの賃労働ではなく「この田んぼの稲を全部刈ったらいくら」という形の仕事も増えているそう。早く終えてもゆっくりやってももらえるお金は同じ。さっさと終わらせて次の仕事をやるべくがんばれば、それだけ収入も増える、というわけです。
食糧価格高騰のクライシスでマイクロクレジットの返済が滞りがちだった人も、少しずつお金が返せるようになっています。懸命に働く人々の今の努力が今年一年の穏やかな暮らしと次なる生活向上の機会につながりますよう。