バングラデシュに赴任してきてすぐの頃、昼食をとりながら魚や野菜、果物の味や値段について、えんえんと熱心に語り合うダッカ事務所のスタッフたちを見て、「なんとまあこの人たちは飽きずに食べものの話ばかり毎日することよ」と思っていたものです。
しかし、滞在が3年を超え、その間平日は毎日事務所でベンガル料理を食べながらバングラデシュ人スタッフたちと世間話をする生活を続けていたら、私もすっかり「えんえんと熱心に食べものの話をする人」になってしまいました。そうなっていたことに今日気がつきました。
大使館やODA関係者、ビジネス関係者などダッカ在住の日本人の方々と夕食をご一緒する機会が時々あるのですが、今夜もそういった夕食会にお招きを受けていました。日本からみえたお客さんも交えての食事の席で、私がもっとも熱心に語っていたテーマはなんだったか。それは「今出回っているマンゴーの種類と味の違いの見分け方」というものでした。
あとになって「ああ、もうちょっとほかに話すべきことがあっただろうに…」と思うのですが、とくにマンゴーについては、「バングラデシュでマンゴーをこうして毎日食べられるのも今年のシーズンが最後かも…」という思いがあって、様々なマンゴーの個性をことさら心して味わい、市場価格にも目を光らせているので、つい語りたくなってしまうのですね。
そろそろシーズンが終わりかけているヒムシャゴルという赤みがかった果肉のマンゴーが私は大好きなんですが、そろそろこれに代わってラングラーという身が黄色くてクセの強い種類が旬になりつつあります。そのあと1個で1キロとか大きいのは2キロぐらいもあるフォジリーという種類が出てきます。(そのあともいろいろ続きます)
「藤岡さんて食べ物の話になると乗り出してくる人だよね~」と言われているかも(実際そうなんですが)。バングラデシュの人たちと世間話するきっかけとしては、食べ物の話題は階層問わずみんな乗ってくれるのでいいんですけどね。