2013年4月24日。バングラデシュの首都ダッカ郊外で縫製工場の入ったビル(ラナプラザ)が崩壊し、
1,134人が亡くなる事件がありました。
崩壊したビルで下敷きになった人たちを助け出すボランティアの様子など、日本でも報道され、
記憶に残っている方もいるかと思います。
今年、その事件から6年が経ちました。

バングラデシュでは、この数日多くの新聞やメディアで「事件から6年」という記事を掲載しています。
それらの記事によると、
犠牲者の家族、生存者で障害を負ってしまった人や後遺症に苦しんでいる人、トラウマケア、
仕事につけていない人、などに対する支援は、ほとんどされておらず、
6年経った今でも厳しい状況にあることが報告されています。

NGO Action Aidの調査によると、
事件の生存者のうち51%が6年経った今も仕事につけていないと報告しています。
頭痛や手足の痛みなど身体的状況が悪化している人が20.5%、
精神面については、トラウマを抱えていると答えた人が22.5%、
状況はあまり変わらないという人が68.5%となっています。

24日は、ラナプラザがあった場所の前に花を供えに来る人、ハンガーストライキをする人、
ヒューマンチェーンをする人たちなどの様子が記事として取りあげられていました。
6年という歳月は経ちましたが、バングラデシュではあの事件は
まだまだ「現在進行形」であることがよくわかります。

あの事件を受けて縫製工場の建設基準や防火設備基準などの規制や見直しが訴えられましたが、
それがどこまで改善されているのでしょうか。
私自身、そのような調査をしていないので実態を把握していませんが、
そのような実際に縫製工場で働く人たちの状況が大きく改善されているようには思えません。

また、消費者である私たちの意識や行動に、何か変化は起きたのでしょうか。
その変化や思いは続いているでしょうか。

5月はフェアトレード月間です。

私たちの着ている服や食べ物が、どこで、どのような人たちが、
どのような環境で作ってくれているものなのか、
改めて考え、行動する機会にしませんか?