こんにちは!国内活動グループインターンの浅野です!
ついに最終回となってしまいました…!(泣)

第7弾は、大学でフランス語、国際協力やアフリカ開発政治学を学ばれ、イギリスの大学院へ進学予定の石井暢さんです!インタビューをさせて頂いて、とてもアクティブな方だなという印象をもちました!

インタビューの全貌をぜひご覧ください!


元広報グループ・インターン 石井暢さん

インタービュー/文:国内活動インターン 浅野 遥花

 

まだ知らない世界へ飛び込んでみる

浅野:こんにちは!本日はよろしくお願いします。早速ですが、石井さんがシャプラニールでのインターンを始めたきっかけは何だったのですか?

石井:私は2018年の9月までスイスとアフリカに合計1年間留学をしていました。スイスの大学では国際協力の勉強をし、アフリカでは現地のNGOでインターンシップをしていたので、帰国してからもその後の国際協力におけるキャリアを決めるのに役立つ活動が何かできればいいなと思っていました。

そこで、日本のNGOという業界がどんなところなのか全く知らなかったので、今のうちに体験しておこうと考えました。日本の大学で国際協力の授業を担当されていた先生がシャプラニールの理事でもいらっしゃったので、その繋がりでインターン募集に申し込んでみました。

あと、それまでアフリカのことを勉強していたので、より身近なアジアを活動現場にしているところがいいなという思いもありました。あまり一つのことばかりやるよりもいろんな地域のことを知っているほうが相互にフィードバックがあって面白いですからね。

チラシ作ったりとか宣伝用の画像作ったりとか、それまで広報をやった経験はあまりなく、スキルもゼロでした。でも文章書くのは苦手ではないし、今のうちにいろいろできること増やしておくか!ということで、広報インターンを始めることになりました。

浅野:日本に帰ってからも自分の興味を広げていこうという姿勢や、自分の経験やスキルの有無で活動の幅を狭めない姿勢が素晴らしいですね!何をしたいか、何が目的かが明確だったことが石井さんの行動力につながっているのだなと思いました。

一人ひとりの想いに触れて

浅野インターンをする中で、シャプラニールの魅力はどんなところだと感じましたか?

石井:正直なところ、インターンを始めた直後はNGOという場所がどんな雰囲気なのか全く想像つかず、すごく緊張していました(笑) なんだか、NGOはすごくプロフェッショナルで、その分常にドライで厳しいみたいなイメージが勝手にあったんですよね。ちょっと失礼な話ですが・・・。

でも、実際職員やボランティアのみなさんと触れ合ってみると、もちろんそれぞれ仕事に一生懸命でプロ意識が高い方ばかりなのですが、同時に人当たりがすごく柔らかくて、みんなで仲良くやっていこうという思いが強いんだなと感じました。

シャプラニールはいろんな人の想いが集まる場所ですよね。毎日いらっしゃるボランティアさんたちと話していても、それぞれシャプラニールの活動に想い入れをもって、すごく前向きに頑張ってくださっていますよね。

また、広報インターンとして活動する中でも、シャプラニールのみんなの想いをSNSやウェブサイト記事、メールマガジンなどを通じて広く伝えていくにはどうすればいいかなと、いつも頭を悩ませていました。その結果として、はがきや切手などのご寄付が事務所に集まっていると考えたら嬉しいですよね。いただくものも全て、全国の皆さま一人ひとりが何かを感じて送ってくださっているものなので、まさにそれぞれの想いが届いているんだなと思います。

国際協力ってぱっと聞くと難しいイメージがありますよね。実際に現地での活動はお金がいくらかかったり、合意形成はどういうふうにやったり、インフラ整備にどんな技術を使ったり・・・とシビアな話題が多いだろうと思います。でも、それを支えているのはやっぱり人の想いだと思うし、それこそがエンジンとなって物事が動いていくんですよね。そういう、一つ一つのことに込められた人の想いが、国際協力の魅力だと思います。そしてそれを毎日の業務を通じて身近に感じられるところがシャプラニールの魅力ですね。

浅野:とても共感します。私も、全国からこんなにハガキや切手が届くんだ!という驚きと、送ってくださった一人一人が、少しでも「誰かのためになればいいな」という想いを持って届けてくださっているんだなと思うと、いつも感動します。世界には問題が尽きないから嘆きがちだけれど、こんな風に誰かの想いが誰かを助けているということを忘れないでいたいなと思います。

国際協力やシャプラニールの「ファン」をつくる

浅野:少し話が変わりますが、石井さんは、国際協力が身近だなと感じたエピソードはありますか?

石井:私は国際協力のことを勉強していてすでに身近だと感じているので、あまり個人的なエピソードは思いつきません。でも、広報インターンとして活動するにあたり、国際協力を難しく捉えず、シャプラニールの活動も「なんかいいよね」くらいに思ってもらえる「ファン」を増やすことを目指していました。

そうした考えのもと、イエティと共にカレー屋さんめぐりをしましたね。バングラデシュやネパールのカレー屋さんを訪問し、イエティとカレーを味わいながら写真を撮るということをしていましたが、やはり食は人生を彩る基本の一つなので、おいしいものを食べるのが嫌な人ってほとんどいないと思いますし、そこから他の国の文化や人の様子を覗くことができます。

イエティとカレー屋さんを訪れたときの写真

イエティとカレー屋さんを訪れたときの写真

イエティと食べたカレーの写真はSNSによくアップしていましたが、それを見て、バングラデシュやネパールっておもしろいな、食べ物おいしそうだな、今度行ってみたいな、シャプラニールのイベントにも行ってみたいな・・・というところから興味を持っていただいた方がいらっしゃったら嬉しいですね。

浅野:本当にそう思います。アイドルやアーティストのファンの方が、最初はなんだか惹かれるな…から始まって、だんだんにそのアイドルやアーティストのことを知っていくように、国際協力も、なんかいいな…とか、意外と身近かも!から、今まで目を向けなかったことに興味を持ってくれたらと思います。この企画もそんなきっかけの一つになってくれたらと願っています。

今の自分だからできることを活かして

浅野:ところで、石井さんは国際協力を学びにイギリスの大学院に進学し、アフリカにおける国際開発を専攻する予定だとお聞きしましたが、なぜそうすることに決めたのですか?

石井:大学に入ったときからずっと「大学でやったことを仕事や人生を通じて活かせなかったら意味がない!」と思っていました。それは勉強だけでなく、入学して最初の3年間のほぼ全てを費やした学園祭実行委員会での活動など、課題活動も含めてです。

委員会を引退してから、「自分はこれから何をやるべきか?」というのを考えていたとき、大学でなんとなく取っていた国際協力論の授業が面白くて、同時に「国際開発には多額のお金がつぎ込まれているが、それで予定された効果が出るとは限らない」ということを知りました。うまくいかない原因は様々あるのですが、様々な関係者が善意でもって出したお金なのに、現地の人々の暮らしにメリットをもたらさないどころか、害を与えることもあるという事実に、すごくやるせなさを感じました。

こうした問題を解決するために自分は何かできるかな?と考えてみたところから自分の国際協力への道は始まったのかもしれません。

学園祭実行委員会では会計の仕事をしていて、たくさんの要望を聞きながらお金の効果的な使い道や使用物品の手配など行っていたので、そうしたマネジメントスキルは活きると思いました。せっかく自分が関心がある問題に活かせるスキルを持っているのだからということで、留学のテーマを国際協力に絞ることにしました。

あとは、大学でフランス語を勉強していて、フランス語を活かすとしたらアフリカに行くしかないよね、と、漠然と思っていたところもあります。留学中の経験も通じて、アフリカにおけるガバナンスに興味ができたので、この分野に取り組むために今するべきことは何かなと考えると、就職よりはまず現地調査もしながら勉強してより深く専門性をつけるのがいいかなという結論に至りました。

浅野:なるほど。自分の興味と、今まで身につけた力や経験してきたことを照らし合わせてすべて活かしていこうという考えがいいですね。そうやって進んだ道は、きっと自分にしかない道になるんだと思います。

無駄なことは何一つない

浅野:私のように、将来、国際協力に何らかの形で関わりたいと思っている人やなんとなく気になるという人ももいると思うのですが、今、どんなことをしておく必要がありますか?

石井:あまり私みたいな若輩者がアドバイスなどするのもおこがましいかもしれませんが・・・。でも、何はともあれ大学生のうちはやりたいことをやると良いと思います。

もちろん、英語や他の言語でハイレベルのスコアをとっておく、国際協力に関わるアクターでインターンしておく、成績も高く保つといった戦略的なことは多少あります。でも最低限のことをやったら、あとは将来に活きるかどうかとかは考えすぎず、とりあえず自分の興味のあることを早いうちからどんどんやってみるといいですね。一つ一つの経験がどこでどのように繋がってくるかはその時には分からないもの。だからこそえり好みせずいろんなことをやって、どこかで点と点が繋がる確率を増やしておくことが重要です。

国際協力とは関係なく、また私事で恐縮ですが、最近新型コロナウイルスに関する生活情報などを首都圏の外国人に多言語で発信するプロジェクトを始めまして、ウェブサイトやSNSでの発信を多く行っています。そこで広報インターンで培ったテクニックがかなり役立っています。シャプラニールでの経験と今回のプロジェクトという点と点が結果的にちゃんと繋がるのは1ヶ月半前までは予想していなかったことですが、こういう経験の活かし方があるんだなと気づくことができて良かったなと思っています。

国際協力においても同様に、必ずしも見た目上は結びついていなくても、実際の仕事をこなしていくにあたっては活きる経験やスキルが多くあるはずです。これから大学に入る方などには特に、いつか自分が本当にやりたいなと思ったことができるように、今のうちはその準備期間として、でも深いことは考えすぎずとりあえずいろんなことをやって、将来幅広く活かせる様々な経験を積んでいただければと思います。

浅野:アドバイスありがとうございます。ご自身の経験から、無駄なことは何一つないということを実感されていて、とても説得力がありました。もしかしたら、時には、本当に将来役に立つのかなとか、今これに時間を割いていて大丈夫かなとか、不安もあるかもしれませんが、逆に、今やっていることは必要必然ベストなはずだ!将来どんなところで活きてくるんだろう?とワクワクしていたいです。

今がチャンス!自分の興味に目を向けて

浅野:最後になりましたが、これからの抱負や、ブログを読んでくださっている方へのメッセージをお願いします。

石井:私個人としては、新型コロナウイルスの影響で無事にイギリス留学が開始できるか不安なのですが、ひとまずさしあたりは精一杯勉強して、将来活用できる知識を増やすこと、これが自分の強みだなっていう領域を作ることが目標です。専門はアフリカなのですが、簡単に言うとローカルなコミュニティでのガバナンスを、地元の人びとと共に改善する方法を探っていきたいと思っています。その後どういう場所でなら自分のビジョンを実現できるのか見極めた上で、良い働き先が見つかるといいですね。

シャプラニールに関わりのある方やこのブログを読んでくださっている方の中でも、新型コロナウイルスの影響で生活環境が一変したり、今後の人生プランが変更になったりという方は多いと思います。でもそのような中で何を経験したかが今後に活きると思うので、何か興味をもったこと、違和感があることがあれば、まさに今が取り組み時です。シャプラニールのような市民社会組織という視点から言えば、あくまで個人の意見ですが、行政がなかなか市民の細かいニーズまで対応し切れていない今の非常事態において、一般市民がそれぞれの得意なことを活かして、こぼれ落ちた声を拾い上げるということもできると思います。そうした心構えを学ぶ場として、シャプラニール、おすすめですよ。

浅野:素敵な目標とメッセージ、ありがとうございます。そうですね、ピンチをチャンスに変えていくためにも、まさに今、どう動くかが大事だと思います。この機会にぜひ、皆さんも考えるだけでなく、行動を起こしてみてください!私も、石井さんのように常に前向きに、挑戦したことが必ず今後に活きると信じて、さまざまなことに積極的に取り組みたいです。

改めて、本日は貴重なお話、ありがとうございました!

 

留学中、西アフリカ・トーゴにあるブードゥー教の呪術に使うミイラなどを売っている市場に訪れたときの写真

留学中、西アフリカ・トーゴにあるブードゥー教の呪術に使うミイラなどを売っている市場に訪れたときの写真

【プロフィール】

石井 暢(いしい とおる)

大学でフランス語と国際協力論、アフリカ開発政治学などを学ぶ。スイスとアフリカに1年間留学した後、2018年11月から2019年4月までシャプラニール広報グループにてインターンとして活動。ウェブサイト記事やSNS投稿、メールマガジンの執筆などを担当。2020年3月に大学を卒業し、9月よりイギリスの大学院へ進学予定。現在は勉強する傍ら、首都圏の外国人に向けて新型コロナウイルス関連の生活情報を多言語で発信するプロジェクトの代表として活動中。

 

 

 

この情報は2020年5月時点です。

 


今回で最終回となりましたが、ここまで読んでくださった皆さん、ありがとうございました!

石井さんのお話を聞いて、国際協力には関わり方がたくさんあるがゆえに、どの道が正解か、これをすればいいといった答えはないことを改めて感じました。だからこそ、自分なりの考えや興味を大切にして、目的を持って行動することが大事だと思いました。出会った人や身につけたスキル、経験はどこで活きてくるか分からないので、すべてがきっとつながると信じて、なんでもまずはやってみようと思います。

最後になりましたが、この企画を通じて7人の方にインタビューをさせて頂き、いろいろな気づきや学びがありました。ご協力いただいた皆さま、本当にありがとうございました!次回はインターン企画を終えて感じたことを発信したいと思っていますので、ぜひお楽しみに!

(過去のインタビューはこちらからご覧いただけます)