こんにちは、国内活動グループインターンの小野です。
今回は、立命館大学の学生さんに混じり“寄付や支援の在り方”について考える授業に参加しました。 ファシリテーターとしてシャプラニールのユース・チームである大学生2人がワークショップの進行を担当してくれました。 その様子をブログで紹介しますので、皆さんも一緒に考えてみてくださいね。
私達はインネパディシュ国(仮想の国です)へ旅行に出かけます。 成田空港を出発し、現地の空港に着くと周辺にはたくさんの人が・・・! 彼らは出稼ぎのために海外へ行った家族を迎えに来ているようです。日本ではあまり見られない光景に少し驚きながら、旅が始まります。
様々な場所を巡り、非日常の空間を楽しんでいると、とある小学校の前にこんな看板を見つけます。
「おねがい この村の学校はお金がなくて困っています。あなたの寄附があればもっと子どもたちに必要なものが買ってあげられます。どうかあなたの1000円を寄付してください。 アイコ ナカムラ」
<Work1> あなたは寄付しますか、するとしたらいくら寄付しますか。それはなぜですか。
その後この村やアイコさんに関する情報が提供されます。
<Work2> 追加情報を踏まえ、あなたはアイコさんの活動に賛成ですか、反対ですか。
さらにアイコさんに対してアドバイスをするとしたら何と言いますか。
どうでしょうか。 皆さん、それぞれ色んな意見を持たれたと思います。 私達のグループワークでも様々な意見が飛び交いました。ということでここからは私が参加したグループの話をまとめました。以下の内容と自分の意見を比較しながら読み進めていくと面白いかもしれません。
ワーク1
- 寄付するか否か - 6人寄付する¹ / 1人寄付しない²
- 寄付額の上限 - 1000円³ / 2000円⁴ / 10000円⁵
- 理由
- 自分の寄附が子どもたちの役に立つなら、1000円で人助けになるなら
- 単発の寄付は持続性に欠けるから、お金の寄付よりも活動に参加したい
- 看板に記載されている金額だから、対象者や用途が不透明だからそれ以上は抵抗がある、大きな額の寄付は信頼性や共感度の高い団体へ行いたい
- 自分の出せる金額の上限だから
- 現地の子どもたちのためなら高い金額でも出せる
またこのWork1の話し合いの中で、日本にこの看板があったら寄付するかについても議論が行われ、7人全員が寄付しないと答えました。その理由として、信憑性がない、日本であればより詳細な情報が必要であると思うなどの意見が挙げられました。
ワーク2
- アイコさんの活動に賛成か反対か - 全員が賛成
- アイコさんへのアドバイス
- アイコさん自身の情報や寄付の用途などを看板に記載する
- ホームページを作成し、リンクを看板に記載する
- 寄付の用途が本当に現地に必要とされているものなのか吟味が必要
- 寄付は優先度の高い、緊急性の高い支援に使用するべきでは
- 長期の活動を考えると個人では限界があるため、協力者を募るのはどうか
- 看板を他言語対応にするといい
またワーク2の話し合いの中では、現地の子どもや親の立場ならこの支援をどう考えるのかについても意見交換が行われました。1つの事柄でもどこを切り取り、どの立場や角度で考えるか、さらにそこからどういった考えを持つのかが人によって異なっており、非常に面白い議論になりました。
今回の2つのワークを経て、寄付や支援、ボランティアなど、普段改まってその意味を考えることあまりない事柄を言語化することの難しさを痛感しました。しかしこのような正解や不正解のない、各個人が自分の答えや考えを持っている事柄をテーマにし、意見交換を行うことが、良し悪しの二項対立ではない、考えや議論を深めていくことのできる非常に有意義な時間となることを知りました。また議論の中でアウトプットすることを通して、自然と頭の中の考えが整理され、自分の考えを自分の言葉で知るきっかけにもなりました。
最後に今回この授業に参加させてくださった立命館大学の秋吉教授、意見交換を行った学生の皆さん、ファシリテーターとして進行してくれたユース・チームのお二方、ありがとうございました。
国内活動グループ・インターン 小野