現在、日本に住む外国人の数は約300万人。街中やお店で外国人の方を見かけることが増えました。
「そもそもどうして日本に来てくれたのだろう?」「日本では何をして生活しているの?」
そんな疑問を持ち、在住外国人の方にインタビューを実施することにしました。


今回インタビューをさせていただいたのは、バングラデシュ出身のブルブルさん。
ブルブルさんは先日、東京ジャーミイというモスクで行われたイフタ―ル(イスラム教徒の断食明けの食事)に招待してくれました。(詳しくはこちらのブログで)私は、その時に初めてお会いしたのですが、優しいオーラをまとっていて、とても話しやすく気さくな方でした!

新しい経験を得るために来日を決めた

私は2019年に来日して、ソフトウェアエンジニアとして働いています。
日本に来ることを決めたのは、大学3年生の時。ある日本の企業が、私の通っていたバングラデシュの大学で採用活動を行っていたことがきっかけでした。技術がより発展している場所で働けば学べることも多い、そして新しい国で、新しい人や文化に触れることは将来のためにもいい経験になると思って、来日を決めたんです。

当時の私は、日本の音楽やアニメのことを少し知っていたくらい…日本に来てから文化について詳しくなり、どんどんとはまっていきました!

自力で身につけた日本語

日本に来る前から初級レベルの日本語は勉強していました。でも正直話せるのは「ハンバーガーを1つください」くらい(笑)

仕事も開始当初は、上司も外国の方で英語でコミュニケーションをとっていたので、日本語は全然使わなかった。でも、その後、上司が日本人に変わって、日本語が必要になりました。だから本を買って、働きながらも頑張って自分で勉強しましたね。

今は、日常会話なら困らないレベルには話せるようになりました。大変でしたけど、日本の音楽や映画などへの興味が強くなっていたので、曲や作品の意味を感じられるようになっていくのは楽しかったです。でもこれからは意味がわかるだけでなく、それに対する自分の想いや感じたことを詳細に話せるようになりたい…!

日本で感じている面白さ

日本の音楽や映画は、私にとってすごく興味深いです。例えば、バングラデシュやインドの音楽・映画の中で語られるのってだいたい「愛」のことが多いです。でも、日本の作品の中では洗濯物とか食べ物の話とか、そういう普通の日常の中の小さなできことを拾った歌詞やシーンが出てくる。それはとても面白さを感じます。

ブルブルさんの故郷

外国人に対する偏見

これまで、日本ですごく困ったことはないんですが、外国人に対する偏見の目を感じたことはあります。

会社の先輩と一緒に帰宅していた時のこと。警察官の方が、職務質問として私たちを呼び止めてきました。そのとき、彼は「日本人が持っていないような違法なものはないか」と私に聞いてきました。

日本人に対してはこのような聞き方はしないと思います。見た目の特徴、国籍で物事を決めつけるような質問のされ方、扱いを受けることは、たまにありますが、やっぱりショックを受けます。国籍・見た目の違いだけで、その人がどんな人かを勝手に判断するのは、やめてほしいなとは思いますね。

それでも日本にきてよかった

でも、私は日本に来たことにまったく後悔していません!日本に来てからいろいろな経験ができました。まだまだやりたいことがたくさんあります。

日本語でもっと自分の気持ちを語れるようになりたい、サーフィンをしたい、富士山に登りたい、大自然の中で松山 千春の「大空と大地の中で」を歌いたい…など!挑戦したいことが山積みなんです!!

 山梨県にある北岳に登って気分が良いブルブルさん

大好きな日本の音楽♪

音楽の話をすると…止まりませんよ(笑)

日本の音楽を初めて聴いたのは8歳の時!当時バングラデシュでは、「るろうに剣心」のアニメが流行っていて、その挿入歌を聞いたのが、日本の音楽との出会いです。大学生になってからはジブリ映画を通してたくさんの曲を聞くようになって、「ルージュの伝言」を聞いてからはユーミンにはまって…「何も聞かないで」という曲が大好きです。他にも、中島みゆき、松山千春、山崎まさよし、スピッツ…たくさんの日本の曲を聞いています。
おすすめがあれば教えて欲しいです!

わたしの好きな日本語

好きな日本語は「めぐりあう」。

この言葉には、少ない言葉で色々なことが表現されています。
日本語はとても細かいことまで表現をすることが出来る言語です。「めぐりあう」という言葉も英語やベンガル語(バングラデシュの公用語)で表現するのは少し難しいかなと思いますね。


インタビューを終えて

「日本人の気遣いやおもてなしがすごい」など外国の方から評価されることもありますが、ブルブルさんのお話にもあったように、外国人に対する偏った考え方がまだまだ残っていて、決めつけや、差別的な発言が外国人の方を傷つけてしまう、ということも少なくありません。

外国から来た人々を日本人に同化させるのではなく、それぞれのアイデンティティや考え方を尊重しながら日本で生活することが出来るように、多くのことを発信していかなければならないと感じました。今後、在住外国人がより増えていっても、分断や孤立をうまない環境を整えていくべきだと思います。


シャプラニールでは、在住外国人にかかわる取り組みを行っています。日本でともに生きるすべての人々が、自分自身の個性を隠すことなく生きられるように、そして地域全体のコミュニケーションを活発にし、困ったときに国籍を超えて助け合える関係を築いていけるように、さまざまな活動を進めています。活動について詳しくはこちら

コミュニケーショングループ インターン 鈴木 愛羅