インターン企画・この人にインタビュー!

シャプラニールのインターン生が国際協力や社会問題に興味のある若者への対話を通じ、お互いの活動への理解を深めながら国際協力のあり方や多様な関わり方などについてお伝えします。 

今回は、かごブランド「ORIKAGO」を展開する株式会社アンバーアワーのプロダクション部所属、石黒唯奈さんからお話を聞き、事業内容から、ご自身が現在の仕事に就かれるまでの経緯などをお伺いしました。


 

「誰もが努力できる機会の創出を目指す」

1orikago株式会社アンバーアワー プロモーション部所属 石黒唯奈さん 

団体概要

Q:まず初めに、アンバーアワー/ORIKAGOの事業内容を教えてください

かごブランド”ORIKAGO”を展開するアンバーアワーは 夢や目標を抱きにくいアフリカの農村地域で 誰もが努力できる機会の創出を目指す企業です。 地域に備わっている技術と素材を活かした持続可能なモノづくりに取り組み、アフリカ・ケニアにて現地の女性たちをかご作りを行っております。現在、約280名の女性たちと活動をしており、2025年までに1000人にすることを目標にしています。

orikago2女性たちによるカゴづくりの様子/ケニア・マチャコス

orikago3

ケニアにある直営工房の様子

商品について

Q:石黒さんが思うORIKAGOの商品としての魅力はなんですか?

面白さと可愛さを兼ね備えているところです。折曲げて高さを変えたり、形を変えられるなど、今までのかごの概念とは少し違う部分に面白さがあります。またバリエーションが多く、好きな色のかごを部屋に置くだけで気持ちも明るくなったりと、インテリアとしても使えるところに魅力を感じています。さらに、背景にあるストーリーも魅力の一つでありこの活動が女性たちの雇用につながっているという意味でも、多くの“可能性”を秘めたアイテムだと思っています。

 

 LINE_ALBUM_インタビュー 写真_211130_2かごブランドORIKAGOのカラフルなサイザルカゴ

国際協力との関わりについて

Q:石黒さんがアンバーアワーで働くまでの経緯をお聞かせください

きっかけは覚えてないのですが小さい頃からどうして生まれた場所が違うだけで学校にいけない子やご飯を十分に食べれない子がいるのか、幼心にずっと疑問に思っていました。大学入学後、サークル活動としてフィリピンの小さな島で数週間滞在し植林活動を行った際、初めて自分の目で「知らない世界」を見たことをきっかけに、もっと自分の目で世界を見たいと思うようになっていきました。フィリピンだけでなく他の国でも活動をし、就職先も「国際協力」分野も検討したのですが、自分のやりたいことが明確でなく結局、IT企業に入社いたしました。

 

orikago5インドネシアを訪れた際の写真

もともと、3年で辞めてもっといろいろなものを自分の目で見にいくつもりでしたが、日々の業務に追われる中「誰のための何のための仕事なんだろう」と思うようになり、2年半で退職、国内外を転々とし、子どもが好きで教育にも興味があったので、日本語パートナーズという日本語を教えるプログラムで一年弱インドネシアへ行ったり、現地NGOを通してジンバブエの孤児院に2か月間行ったりしていました。

 

orikago6ジンバブエの孤児院での写真

Q:さまざまな経験をされた中で、“ビジネス”として社会課題の解決に関わることを選んだ理由はなんですか?

いろいな国で物乞いをする子どもたちや働く場所がなく困っている人を目にしたり、実際に話を聞く中で、子どもたちが物乞いをしたり、学校に行けない状況の背景には、“大人たちの働く環境が整っていないこと” “働く意欲がわくような仕事がないこと“があると感じるようになりました。

また親がちゃんと働いている姿や生き生きしている姿を見せないと、それが子ども世代にもつながり、悪循環に陥ってしまうのではないかと思うようになり、もともと関心があった“教育”よりもまず、親たちの“雇用をつくること”に興味をもつようになりました。

そんなときに“ビジネスとして対等にかかわる”“フェアトレードとしてではなく商品で勝負する”といったアンバーアワーの理念に共感して、今の仕事に至りました。

 

Q:お仕事をする上で意識していることを教えてください!

人を否定しないこと、常に疑問をもつことを意識しています。人の意見を否定してばかりいると自分の意見のみにとどまってしまうので、色々な人の意見を受け入れることが大事だと思っています。また、新卒で入った会社の上司に言われた「常に疑問を持つことが大切」という言葉が自分の中でとても印象的で、今でも物事に対して常に“どうしてそうなっているのか”“本当にそれでいいのか”は考えるようにしています。

また小さい会社だからこそ、自由にやらせてもらえる部分が多く、自分で判断や決断をする機会が今までよりもとても多いため、“判断力”や“全体を見る力”の必要性を日々感じています。

 

最後に

Q:最後に、国際協力方面でのキャリアに関心がある方へメッセージをお願いします!

国際協力への関わり方は色々あると思っています。フェアトレードで物を買うことも国際協力のひとつですし、NGOとして関わったり、ビジネスとして関わったり、様々な手段があります。私自身もIT企業で働き、多くの経験を経て今の仕事にたどり着きました。関わり方も違えば自分の働き方も変わってくるので、興味のある分野と自分の好きなものがどうマッチングするかがキャリアを考えるうえで大事だと思っています。例えば経理の仕事が好きで国際協力に携わりたい人が、国際協力NGOで経理の仕事をしたり、別の事業をしている企業で、CSRとして国際協力や自分の関心分野に関わる仕事をすることも可能です。結局仕事は自分がやっていて楽しくないと続かないと思うので、そういった兼ね合いを自分なりに考えることが大事だと思います。

 

ーインタビューを終えてー

『誰もが努力できる機会の創出を目指す』というアンバーアワーの理念は、まさに”すべての人びとがもつ豊かな可能性が開花する社会の実現”というシャプラニールが掲げる理念とも通じていて、改めて1つの目標へのアプローチにも色々なかたちがあることを実感しました。

また、学生時代から色々な国を訪れ、別の分野のお仕事も経験された石黒さんのお話からは、改めて国際協力分野のキャリアの多様さを教えられ、だからこそ自分の考えや関心をもとに、積極的に色々な経験をしていくことが大事なのだと感じました。

私自身も、石黒さんのように興味のあることに積極的に取り組みながら、関心のある事柄と自分の好きなことのバランスの中で、自分のやるべきことを見つけていければと思います。

ORIKAGOのかごたちはカラフルで種類豊富なうえ、作り手や素材のぬくもりを感じられるとても魅力的なアイテムなので、ぜひチェックしてください♪ ↓↓

(国内活動グループインターン 廣瀬)

 

▶株式会社アンバーアワーの公式ウェブサイト: https://amberhour.com/

▶かご専門店ORIKAGOの公式ウェブサイト: https://www.orikago.com/

 

ORIKAGO公式インスタグラム: https://bit.ly/32BlSf9

ケニアでの生産の様子はこちらから:https://bit.ly/3nQtzX1