3月11日付けのブログでSWC(Social Welfare Council=社会福祉評議会)についての話はまたの機会に、と言っておきながら1週間以上たってしまいました。改めて、この組織について簡単に紹介しておきたいと思います。
ネパールでのNGO活動は、社会活動と政治活動の区別がつかないということで長い間、厳しい制限が課せられていたようです。その後70年代に入り、社会の変化にあわせて全国的にNGO活動が広がりはじめたのですが、その調整役として設立されたのが、今のSWCの前身となるSSNCC(Social Service National Coordination Council)。そして90年の民主化運動の結果、複数政党による新しい政治体制が始まり、92年には社会福祉法が制定され、その事務局としてSSNCCを改組したSWCが設置されました。いま、私たちのような外国籍のNGOはSWCとの間で団体登録に相当するものや事業に関する協定書を取り交わしているのですが、そうした窓口になっているのがSWCということになります。
バングラデシュにもNGOを管轄する部局がありますが、バングラデシュのそれは首相府直属のお役所で、基本的には書類のやりとりだけ。でもネパールのSWCは、いわゆる第3セクター的な位置づけになっていることもあり、ちょっと雰囲気が違いました。国際NGOの窓口になっている職員も、聞くと20数年間にわたってここで働いているとのこと。もちろん、トップの数人は政治力学で人事が頻繁に動いているようですが、この人もかなりの上級職。こんなに長く同じ人が窓口を勤めるというのは、役人の世界ではあり得ないでしょうね。NGOの管理をするだけでなく、活動のモニタリングや評価の役割も担っているSWC。これから、いろいろな意味でおつきあいを深めていくことになります。今度会う時までには、ネパール語をちゃんと話せるようになっていなくっちゃ。
swc.jpg