先々週、休日を利用してインドのコルカタに行ってきた。小さなカトマンズとは比べようもない大都会なのに町を歩くと、どこか懐かしいと思う風景に幾たびも出会った。
突然、大きな道沿いの街路樹に何枚もの布が掛けられていた。
「天女の羽衣みたい」と思って路地をのぞくと染物屋だった。好みの色に染めてもらおうと注文を伝えている女性がいた。染料の入った鍋がいくつも並び、何人かの男性が働いている様子を見ていたら、突然『ふくろうの染物屋』を想い出した。そう、欲張りなカラスが誰にも似ていない色になろうとして黒くなってしまうあのお話。
不思議な話だが、カトマンズで生活するようになってから日常生活の風景を眺めていると、ふと昔読んだ童話や絵本を想い出すことがある。どうしてだろう。