ネパールでは常にデジカメを携帯している。面白いシーンを見つけたらいつでも写真を撮れるようにと思ってのことだ。しかし私、撮られるのがもっとも嫌いだが、写真を撮るのもそれに負けないくらい苦手である。特にデジカメになるともうダメ。
なぜかと言うと、相手ときちんと向き合っていないように感じてしまうからである。デジカメで写真を撮るところを想像してみて欲しい。大抵の場合、カメラを構えた人は相手を見ずにモニターを見ている。私にはこれが不誠実に感じてしまう原因なのだと思う。以前、文化人類学のPhDを持っている知り合いに話したら「おもしろい視点だ」と褒められたが、苦手意識は消えていない。しかしこのデジカメも悪いことばかりでない。撮ったその場で相手に見せることが出来るので、少なくとも「撮り逃げ」は避けることも可能なのだ。
上の写真は先日スタッフとスンダリザルにピクニックに行ったときに撮ったもの。帰り道、お母さんに髪を梳かしてもらっている女の子を見かけた。のんびりとした雰囲気が気に入って写真を撮ろうとしたら、女の子が急に恐い顔をした。外人め何をする?とでも言っているようだった。
それが、彼女の写った画像を見せた途端、右の写真のような笑顔に変わった。デジカメ・マジックとでも呼びたいほどの劇的変化だ。