今日、マオイスト(共産党毛沢東主義派)が政権から離脱することを決めた。4名の閣僚が辞表を提出したということである。マオイストは11月に予定されている制憲議会選挙前に王制を廃止し共和制の宣言をすること、そして制憲議会選挙を全議席比例代表制で実施することを要求していたが、それを巡る協議が今日の昼過ぎに決裂した。
午後2時からカトマンズの中心にあるラトナパークで開かれたマオイストの集会では、これから「平和的な」街頭行動を行うこと、そのスケジュールや内容を発表したという。
今日の夕方自宅に帰る途中、集会に参加したと思われる人たちを乗せたバスが通りすぎた。ほとんどが10代後半から20代前半くらいの若者で、表情に険しいものもなくまるでピクニックか何かから戻ってきたような様子で、一体この中の何人がマオイストの主張を理解しているのだろうかと思ってしまった、。一方、チトワンを含むいくつかもの郡で、この動きに呼応したマオイスト支持者がデモ行進を行ったという(彼らは「動員」ではない本物のはずだ)。
ああ、これからどんな展開が待っているのだろう。
この前の日曜日には、ルパンデヒ郡、カピルバストゥ郡(平野部)では、反マオイストの指導者が何者かに殺されるという事件から大きな騒ぎが起こり、外出禁止令が出されていた。いまだ一部の地域では外出禁止令が出されているという。
写真はガソリンを求めてスタンドに並ぶ人たち(とそのバイク)。ここ数週間、深刻なガソリン不足が続き、数リッターのガソリンを買うために半日近く並ぶという状況が続いている。外を走る車の数は目に見えて減っている。タクシーもメーターでは行かない車が多くなっている。ガソリン不足はネパール石油公社のインドに対する支払いが滞っているのがその理由だが、去年の9月から続いており、車を持たない私ですらこの状況に限界を感じている。ましてや、最近はディーゼル、調理用ガスも不足しており入手が困難であるという。
感心するのはこんな状況でも、人々が辛抱強く、秩序の中で振舞っていることである。ガソリンスタンドに並ぶバイクを見て欲しい。場所を取らないよう横向きに並べているのである。
今日、歩きながら帰る道々、人々の様子、町の雰囲気を感じ取ろうとしてみたが、特に緊迫した様子は感じられなかった。この印象が当るのか、それとも思いもかけない展開が待っているのか、しばらく見守る必要がある。