ストリート・スクール.jpgバングラデシュ出張は東京事務局、ダッカ・カトマンズ両事務所の駐在員が、中期ビジョンや安全管理、現在のプロジェクト進捗状況など、いくつかのテーマについて集中的に議論や意見交換をする場となった。3日間みっちりと会議を行ったあと、私は一日休暇を取り、友人に会ったり買い物をして週末までダッカで過ごした。予定にはなかったが、スタッフの取り計らいでオポロジェヨ・バングラデシュのプロジェクトも訪問した。

<照れながら歌を歌ってくれた子ども ストリート・スクールにて>

子どもたちの顔ぶれもかなり変わっているだろうと予想していたが、良く見知った子どもたちとも会うことができた。

その1人はMくん。私が駐在していた頃、いつも外で待っていて、バスの往来が激しいターミナルを私の手を引いてストリート・スクールまで連れて行ってくれた。すっかり少年から大人の顔つきになっていたMくんだが、スタッフから聞いたのか今回もやはり外で待っていてくれた。今はバスターミナルのトイレの清掃を請け負い、月々の定収もあるのだと嬉しそうに教えてくれた。今は彼の妹がスクールで学んでいる。

ドロップイン・センターではHちゃんにも会えた。センターで習ったという刺繍をサリーに施していた。久しぶりに会ったので照れくさいのか、なんとなく目をそらしつつ「ねえ、私良い子になった?」と聞いてきた。 いたずら心が起きて「まだいたずらばっかりしているんじゃないの?」というと、「いたずら、いたずらっ子」と歌うように繰り返していた。

それから、Tさん。昨年結婚し、今年に入りヨーロッパで有名なブランドのデザイナーとしての職を得て、いきいきと働いている。彼女曰く「お金がなかった頃はおしゃれするためにありとあらゆる努力をしていたけれど、今は生活の一部になってしまった感じ」洋服を素敵に着こなす彼女はとても幸せそうだった。

U さんにも会った。バングラデシュの南東部の出身で、ラカイン族という少数民族の出身の彼、数年前に手工芸品の店を持ったが、いろいろあってどうも上手くいっていないらしい。店を他の人に任せて、自分は裏方に回る決心をしたという話を聞かせてくれた。そのうちネパールにも仕入れのために来るかもしれないというので、またゆっくりと話をしようと思う。

ヒマラヤ.jpg偶然にもバングラデシュという場所で出会い、今でも交友が続いているという事実に深く感謝をした。あと3年後、自分も含めてどうなっているか楽しみである。(ネパールにいる間、ちょくちょく会いに行くとは思うけど)

<行きの飛行機から見えたヒマラヤの山並み>