カトマンズには多くの世界遺産があります。王宮広場などは現在も人々が日常生活の中で普通に通行し物を売る場として生きている遺産ではありますが、それでも伝統的な作りの建造物が多く残り、歴史がそこかしこに顔を出している街と言っていいでしょう。そんなカトマンズも、バングラデシュの変わりようから比べたらゆっくりかもしれませんが、なかなかの勢いで変化しています。
最近よく見る光景をご紹介します。
1.道路工事
前回の駐在時代(2010-2012)にも大通りの道路の幅を広げるために容赦なく家が壊されていましたが、最近では主要道路だけでなく、ちょっと中に入った道でも拡幅や舗装の工事が行われているのをよく見かけます。その理由が車の増大。カトマンズの人口は2000年の65万人から2017年には倍の130万人に増え、車両(バイク含む)も約2万4千台(2001)から約78万台(2016)と何と約32倍に増えました。その大多数がバイクです。
これは事務所近くの拡幅工事の様子。事務所はラリトプール市1区にありますが、その区からのお金と地域住民がお金を出し合って工事が始まりました。 この工事で野良犬の縄張りが変わったみたいで、昔はもっと南側にいた犬たちを北で見かけることが増えました。
2.信号が点き始めましたが。。。
信号機はあっても1つも動いていなかったカトマンズ。計画停電がなくなった近頃、主要道路で点灯する新しい信号を見かけるようになりました。まだ片手で数えるぐらいと思いますが。しかし、長年信号なしが普通だったので、何も言わずに従うようになるには時間がかかるよう。信号機のそばには警官がいてコントロールしていることの方が多いです。
3. 変わらない野良牛
こちらは変わらない風景ですね。道端の野良犬ならぬ野良牛です。今朝の通勤(自転車で15分)では5頭の牛のそばを駆け抜けてきました。どうしても彼らがいるとスピードを落とさざるを得ませんね。
4. 謎の白いボックス
最初、大通りの要所要所に白い箱が置かれたときは巨大なゴミ箱かと思いましたが、これはPM2.5の濃度表示版です。ソーラーパネル付きなのが進んでますね。ネパールは、2018年のある大気(Air Quality)ランキングでは世界180国で最下位、つまり大気汚染ナンバーワンになってしまいました(https://epi.envirocenter.yale.edu/epi-country-report/NPL)。その理由の1つは、先に書いた、急増する車両からの排気ガス。マスクをする人も増えました。日差しの強いネパールで、わたしはいつもサングラスとマスクのどちらを優先するか迷っています。
今度は楽しい道端の風景をお伝えしたいと思います。ライチ売り、マンゴー売り、トウモロコシ焼きなどなど。お腹がすくこと間違いなしです。
ネパール事務所長 勝井裕美