シャプラニールむさしの連絡会は、7月の初めに西東京市在住のロヒンギャ、カディザ・ベゴムさんを迎えて「ロヒンギャの方のお話を聞いて、考える会」を開催しました。30名以上の方にお集まりいただき、久しぶりに一体感を感じることができるイベントでした。

お話しいただいたカディザさん

「お国はどちらですか?」カディザさんのお話しはまず、この1枚のスライドから始まります。これは、日本に在住する外国人の方が一番初めに聞かれる問いかけだと思います。何の疑問もなく投げかけられるこの質問に、ロヒンギャの方たちは返す答えがありません。カディザさんのお話しは、ロヒンギャの方たちが置かれている厳しい状況から始まり、多くの困難を乗り越えてきたご自身の半生、群馬県館林市に約300人が暮らしている同胞の方のくらしとその直面する課題、支援に至るまで、90分があっという間に感じられる内容でした。

休憩を挟んで、ロヒンギャの方々に伝わる美しい詩歌taranaも紹介していただきました。故郷を想うその歌詞とメロディーに心を打たれた参加者の方も多かったと思います。

後半の質疑応答では、そのtaranaやミャンマー情勢についての質問、また、同じ在住外国人の方からはご自身に引き寄せたご感想などをいただき、カディザさんは一つ一つに丁寧に答えてくださり、誠実なお人柄がしのばれました。

今回、参加者のアンケートで目立ったのは、「むずかしい話題だと思っていたが、カディザさんの実体験に基づいたお話しだったので、すんなりと頭に入った。お話しを聞いて自分もがんばろうと思った。」という感想でした。

誰かを応援しようと思って、いつの間にか、自分の方が励まされているという経験をお持ちの方もいらっしゃると思いますが、今回のカディザさんのお話はまさに聞く人を前向きな気持ちにさせるお話でした。カディザさん、参加者のみなさま、そして、サポートしていただいたシャプラニール事務局スタッフのみなさまに深く感謝いたします。

身近な在住外国人の方との交流から、様々なことを受け取り、考える、そんな出会いをこれからも企画できればと思います。

カディザさんと共に

シャプラニールむさしの連絡会 横田