みなさま
年末のごあいさつを申し上げます。みなさまにとって今年2024年はどんな一年だったでしょうか?

2024年も世界情勢は地政学的な緊張が継続する一年でした。ウクライナ戦争や中東情勢を中心に、国際的な対立は依然として続いているほか、経済面でも改善の兆しはなく、不安定な状況が続いています。一方、エマニュエル・トッドが近著「西洋の敗北 日本と世界に何が起きるのか」で触れているように、西洋の優位性が失われていく中で、グローバルサウスと呼ばれる新興国の台頭が顕著になる中、国際社会の勢力図は明らかに変わりつつあります。多極化の進行の中、国際社会は多様な課題への協調的対応が求められる年となりました。

52年にわたって私たちが活動を続けてきたバングラデシュでは、8月5日、歴史の大きな転換点となる政変が起こり、暫定政府が誕生しました。シャプラニールでは「『これから』によせるメッセージ」を発出したほか、10日に実施した現地駐在員とつなぎ現状とこれからについて報告する緊急オンラインイベントは500名以上の方が視聴してくださいました。
加えて8月中旬にはバングラデシュ東部で数十年来と言われる大洪水が発生。シャプラニールは、現地NGOとの連携のもと、緊急救援を実施し約5000世帯への物資配布を行いました。

物資配布の様子

政変後の通常活動や大洪水の緊急救援活動の支援を募る形で行ったクラウドファンディングには400名近い方々からのご協力をいただき、目標金額を大きく超える結果となりました。この場をお借りして厚く御礼申し上げます。

ネパールでは、駐在員が交代し、児童労働の削減や教育の支援、自然災害からの防災支援について、それぞれ新たな活動を開始しています。国内では、多文化共生推進の拠点として新大久保に開設した、多文化共生コミュニティスペース「マザリナ」での活動は、講座や交流、文化の紹介などバラエティに富んだ企画に多くの外国人が参加してくれたほか、さまざまなステークホルダーとのネットワークを図りました。

マザリナで行なったお菓子づくりイベント

また、1974年に手工芸品生産組合としてバングラデシュの農村で始まったフェアトレードの活動が50周年を迎えました。この活動は、「いちばん身近な海外協力」として多くの購買者、販売協力者(クラフトリンクパートナー)に支えられてきました。フェアトレードを日本で始めた団体として、これからも活動の輪を拡げていきたいと思います。

2025年は私たちの現行の中期ビジョンの最終年となります。ビジョンに沿いつつも、激変する時代にも柔軟に対応しつつ、市民による海外協力を進めてまいります。

最後に恒例となりますが、年末年始に書き損じた年賀状ほか、ご不用なものをご寄付いただくステナイ生活の「あなたのはがきが、だれかのために。」のキャンペーンを実施しています。先日NHK 首都圏ニュースでも取り上げていただきましたが、年賀状じまいが進む中、毎年のご寄付も減ってしまっています。誰にでも取り組める海外協力として、ぜひご協力いただければ幸いです。

▼キャンペーン詳細
「あなたのはがきが、だれかのために」キャンペーン
キャンペーン特設ページ:https://www.shaplaneer.org/lp/hagaki_cam/

期間:2024年12月16日〜2025年3月31日
集めているもの:はがき(書き損じ、未使用のもの)、切手(未使用、使用済み問わず)のほか、外貨、貴金属類(金、銀、プラチナ等のアクセサリーなど)、スマートフォン(必ず初期化したもの)、テレフォンカード

送り先:
〒169-8611 東京都新宿区西早稲田2−3−1 シャプラニール
「はがきキャンペーン」WEB係


NHK 首都圏ニュース内特集記事はこちら
https://www.nhk.or.jp/shutoken/articles/101/017/21/

53年目を迎えるシャプラニールをどうぞよろしくお願いします。

代表理事 坂口和隆