また新しい年がめぐってきました。  

2024年は能登半島地震に始まり、記録的な大洪水が世界各地で発生するなど、大きな災害が相次いだ大変な年でした。 

ガザでも、ウクライナでも、戦争終結の兆しは見えず、子どもたちを含む多くの人々が今も生命の危機にさらされています。 

アメリカのトランプ新政権の発足がこれから世界にどのような影響を与えるのかも予断を許しません。 

明日何が起こるか予測がつかない世界を生きていると感じる日々ですが、この1年、大きな災害がないよう、平和がもたらされるよう祈るとともに、世界を少しでも住みよくするために市民としてできることを、ひとつひとつやっていきたいと思います。 

昨年は、私たちの長年の活動地であるバングラデシュで政変があり、そのきっかけを作った若者たちの行動とその波及力に目を見張りました。子どもや若い人が人口の多くを占める国で、若者たちが社会に及ぼす影響力をあらためて認識する出来事でした。 

昨年のバングラデシュ出張にてシャプラ(睡蓮)の絵の前で
(中央:事務局長 藤岡)

コロナ禍の収束とともに人の移動が再び活発になり、日本でも周囲を見渡せば、ネパールやバングラデシュなど南アジアからの留学生や移住者が着実に増えてきました。彼ら・彼女らの目を通して日本や南アジアを見たら、私たちにもまた別の景色が見えてくるのだろうと思います。 

「若者たち」と「人の移動」は、これからの私たちの活動を考える上での重要なキーワードになっていきそうです。 

2025年はまた、SDGsの目標8のターゲット7に記載されている「あらゆる形態の児童労働撤廃」の目標年でもあります。シャプラニールもバングラデシュとネパールで児童労働をなくす取り組みを続けてきましたが、残念ながら現実はこの目標達成には程遠い状況です。 

どうしたらより効果的な変化を起こせるのか、そのためには誰と、どうつながって動いていけばよいのか、あらためて考える年にもしたいと思います。 

本年もどうぞよろしくお願いいたします。 

事務局長 藤岡 恵美子